SAYIN' SOMETHIN' (ATLANTIC)

NAT ADDERLEY (1966/2/16)

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【パーソネル】

NAT ADDERLEY (cor) ERNIE ROYAL (tp) <#1,2,4,5> J.J.JOHNSON (tb) <#1,2,4,5>
ARTIE KAPLAN (sax) <#1,2,4,5> SELDON POWELL (sax) <#1,2,4,5> JOE HENDERSON (ts) <#3,6-8>
PAUL GRIFFIN (p) <#1,2,4,5> JOHN ASBURY (p) <#3> HERBIE HANCOCK (p) <#6-8>
GEORGE DUVIVIER (b) <#1,2,4,5> BOB CRANSHAW (b) <#3,6-8>
HERB LOVELLE (ds) <#1,2,4,5> ROY MCCURDY (p) <#3,6-8>
AL GORGONI (g) <#1,2,4,5> BILLY SUYKER (g) <#1,2,4,5> GEORGE DEVENS (perc) <#1,2,4,5>
【収録曲】

(01-03) MANCHILD / CALL ME / WALLS OF JERICHO
(04-06) GOSPELETTE / SATIN DOLL / CANTALOUPE ISLAND
(07-08) HIPPODELPHIA / THE OTHER SIDE
【解説】 ( 2020年03月08日更新 / 連載 1,385回 )

 山を飛び〜、谷を越え〜、ぼくらの町へ〜、やって来た〜、ハットリくんが、やって来た〜♪ ということで、いやあ、いいっすよね、ハットリくん。 ハットリ、鳥取、乗っ取り。 “世界3大・○っとり” のうち、ハットリくんは断然、2番目だと思います。 卑劣な乗っ取りは論外だとして、1番は断トツで、鳥取。 何せ、砂丘がありますからね。 砂丘以外は、なし。 そんなふうに思われるかも知れませんが、そう、梨があります。 それにラッキョウまであったりして、名所や名物が3つもあれば、これはもう、立派な観光スポットっすよね。 ふるさと納税のネタにも事欠かないんっすが、梨、ラッキョウ、砂丘の砂。 これだけでもう、税収増で、ウハウハ♪ 笑いが止まらないに違いありませんが、えーと、 鳥取県のお礼の品 。 梨、ラッキョウ、砂丘の砂。 どれも、なし! ま、下のほうまでずーっと見ていけば、そのうち出てくるとは思うんっすが、一押しは 「日本海西部産開きのどぐろ」 っすかぁ。 開きの “どぐろ” ではなく、ノドグロを開いたヤツ。 ノドグロというと、金沢とか島根の印象が強いんっすが、鳥取は大雑把に言って、金沢と島根の中間地点なので、その辺の海にノドグロが泳いだりしていても、別に不思議ではないっすよね。 で、続いて 「境港かにグラタン・かにドリア」 。 あ、カニというのもありますな。 カニというと、北陸とか島根の印象が強いんっすが、鳥取は大雑把に言って、北陸と島根の中間地点なので、その辺の大陸棚をカニが横歩きしていたとしても、別に不思議ではないな…と。 というか、境港のカニは、かなりメジャーっすよね。 ググってみたら、 こんなヤツ まで、おるやん! カニだけどまっすぐ歩けます。 マジかよ? 恥ずかしがり屋ですぐ赤くなります。 マジかよ? とてもそんなキャラには見えなかったりするんっすが、人は見掛けに…というか、カニも見掛けによらないものでありますなぁ。 所属 : 境港カニ水揚げ日本一PR実行委員会ということは、境港がカニの水揚げ日本一なんっすな。 えーと、 日本のズワイガニの漁獲量 。 鳥取は鳥取でも、岩美町じゃん! 境港は18位じゃん! 香美町や鳥取市にも負けてるじゃん! どうやらズワイガニではなく、紅ズワイガニの水揚げが日本一らしいんっすが、紅ズワイガニとか、ズワイガニの下位互換じゃん…。 えーと、 「ズワイガニ」 と 「ベニズワイガニ」 の違い 。 なるほど、紅ズワイガニは茹でてなくても紅色なんっすな。 恥ずかしがり屋ですぐ赤くなるんじゃなくて、最初から赤いだけじゃん! カニ太郎、駄目じゃん!

 いや、カニ太郎が紅ズワイガニだとは、どこにも書いてないし、上物の 「ベニズワイガニ」 は、 「ズワイガニ」 にも勝るおいしさという声もアリマス。 そう、謎の外人も言ってるし、必ずしも下位互換というワケではなさそうなんっすが、いずれにしろ、僕はカニがあまり好きではないので、別にどうでもいいな…と。 それよりむしろ、 「鳥取牛 バラスライス」 のほうが断然、貰って嬉しかったりするんっすが、バラスライス? トルコライスみたいな、鳥取のB級グルメ? …と思ったら、バラス・ライスではなくて、バラ・スライス。 ここで区切るんっすな。 バラ肉のスライスっすか。 なら別に、いらんな…と。 いや、普通に美味しそうではあるんっすが、 桑名市のお礼の品 で、十分に賄えますからね。 個人的には柿安の肉が一押しなんっすが、あ、 日の出 特別室ペア昼食券(2名) とか、あるやん! 漫画 『美味しんぼ』 に掲載された…という謳い文句は、めっちゃ痛し痒しな気もするんっすが、まだ 『スーパーくいしん坊』 に掲載されたほうが、インパクトがあるような? え!! 中国から輸入したハマグリを海にばら撒いて、桑名産に!? 出来らあっ! いや、桑名産と明記するのはちょっとアカン気がするんっすが、 “桑名蓄養はまぐり” なら、まあ、なんとか…。 養殖かと思ったら〜、畜養でした〜。 チクヨウ!! そう、コウメ太夫も認める手法なんっすが、 まいにちチクショー 、今日もキレッキレ。

  不要不急の外出とは例えば何か聞いてみたら〜、

  私の出演ライヴでした〜。

  キャンセルチクショー!!

これだけはちょっと面白くて、不覚にも笑ってしまったんっすが、で、4月になったら鳥取にでも遊びに行こうかな…と。 いや、別に何か用事があるワケではなく、それこそ不要不急の外出なんっすが、何となく 「花見露天」 というキーワードで宿を探していたら、鳥取の三朝温泉にある旅館がヒットしたので、じゃ、ここに行ってみようかぁ…と。 で、ついでだから砂丘にも行ってみようかぁ…と。 が、色々とプランを練っているうちに、何となく鳥取熱が冷めてしまったので、やっぱ、やめにしようかと。 鳥取の桜の名所として、 鳥取城跡久松公園 というのが出て来たんっすが、満開 3月29日、桜吹雪 4月1日。 4月の3〜5の日程で行こうと思っていたんっすが、駄目じゃん…。 三朝温泉に近い 打吹公園 は、ぎりぎり何とかなりそうなんっすが、三朝温泉からのバスの便がちょっと不便で、ね、バス便。 そんなアレだったりするし、で、砂丘の絡みで言うと、期待度ゼロだったのに、行ってみたら意外とよかった 砂の美術館 が、展示替えのため休館中みたいで、ガッカリだし、ちなみに次回は 「チェコ&スロバキア編」 っすかぁ。 僕が子供の頃はチェコスロバキアという名前で、チェコ&スロバキアの合同ペンネームだったとは、まったく気付かなかったんっすが、合同ペンネームと言えば、岐阜市にある大江五十石排水機場。 岐阜支店で請け負った工事の主任技術者として、僕の名前が勝手に使われていたみたいで、完成検査に呼ばれて、昨日、行って来たんっすが、実は大江排水機場と五十石排水機場という2つの機場の合作であることが判明しました。 何か、千石イエスみたいな変な名前だと思っていたんっすが、いや、“石” しか共通の要素はないんっすが、なるほど! …と、目から鱗が落ちた気がしました。 ま、一般人には何の感慨もないかとは思うんっすが、それはそうと、チェコ&スロバキア編。 2つ併せてみたところで、果たして砂像にするようなネタがあるのか、甚だ疑問なんっすが、とまあそんなこんなで、鳥取はとりあえずヤメにして…と。

 で、代替案として考えているのが北陸なんっすが、いや、何となく桜が見頃を迎えていそうかな? …と。 あくまでも現時点でのウェザーニュースの予想に基づくものなんっすが、もし外れて精神的苦痛を被った場合には訴訟も辞さない覚悟であります。 ま、訴訟は取り下げるとしても、せめて胡椒くらいは。 鼻の穴に胡椒を振りかけて、ハックショーン。 …って、小学生かよ! そう、思われるかも知れませんが、訴訟、胡椒、ハリウッド・ザコシショウ。 “世界3大・○ショウ” の中では、胡椒がいちばん香辛料っすからね。 何の答えにもなってない気がするんっすが、とりあえず高岡とか、氷見あたりに行ってみようかな? …と。 藤子不二雄の出身地でしたっけ? 藤子・F・不二雄が高岡で、藤子 不二雄(A) が氷見なんっすな。 ハットリくんは “(A)” のほうでしたっけ? 富山でドラえもん達が待っている♪ 「藤子不二雄」 ゆかりのスポットを巡ろう! 今回、特に巡る予定はなかったりするんっすが、ハットリくんとか所詮、 “世界3大・○っとり” の中でも2番目だし。 あ、そうそう。 どうしてハットリが2番目なのか、その話を後で書こうと思って忘れていたんっすが、僕が小学生の頃、ハットリくんという友達がいたんっすよね。 よく一緒に遊んでいたんっすが、ある日、ハットリくんちに遊びにいったら 『月刊少年ジャンプ』 が何冊もあって、そこに 「けっこう仮面」 というスケベな漫画が載っているのを発見。 「ぐへへへ♪」 と、それを読みあさっていたら、 「んなもん、読むなよ!」 みたいなことを言われて、それで、ちょっと嫌いになって、うるせぇ! ハットリなんか、鳥取以下や! というので、2番目。 小学生かよ! そう、思われるかも知れませんが、ま、実際、そうだし。 で、富山の藤子不二雄スポット。 特に巡る気はないんっすが、駅の近くとかで、気軽に立ち寄れるようなら、チラッと覗いてみるに吝かではないな。 そんな程度の興味はあったりします。 んーと、まずは 「高岡市藤子 F 不二雄ふるさとギャラリー」 。 高岡駅から徒歩20分。 うーん、微妙。 歩いて歩けない距離ではないんっすが、出来ることなら歩きたくはないな。 そんなギリギリの線っすよね。 高岡市美術館の一部らしいので、美術館の他のエリアに魅力があれば、歩く価値はありかも知れませんが、んーと、 これ 。 高岡古城公園の近くなんっすな。 桜の名所っぽいので、ここには行くつもりだったんっすが、せっかくなので、ちょっと覗いてみますかね? ちょうど企画展の谷間で、他にはあまり見るものもなさそうなんっすけど。 で、次。 「高岡古城公園動物園・絵筆塔」 。 ここもついでに立ち寄れそうではあるんっすが、わざわざ見るほどのものでもないような? 154名の漫画家によるカッパのイラストを集めたモニュメントっすかぁ。 無論、黄桜のカッパもあるんっすよね? あのカッパは、エロいっすよね。 まさしく “エロがっぱ” なんっすが、で、次。 「高岡おとぎの森公園」 。 ドラえもんの “土管のある空き地” があるみたいなんっすが、ここはちょっと行ってみたいかも? 地面に寝転がって、しずかちゃんのスカートを下から覗いてみたいかも? えーと、新高岡駅から車で5分。 ちと、遠いっすな。 別にこんなところ、行かなくっていいっすよね。 どうせ、パンツが見えないような作りになってるに違いないし…。

 で、次。 「氷見市潮風ギャラリー」 。 こちらは当然、地元の “(A)” 押しでありますな。 怪物くん、プロゴルファー猿、笑ゥせぇるすまん。 鰤を持った、鹿の角が無い “せんとくん” みたいなヤツもいますが、何者? あ、 ここ にいますな。 ひみぼうずくん。 「氷見のサカナ紳士録」 を含めて、ちょっとセンスが…。 氷見は別に行かなくていっかぁ。 そんな気もしてきたんっすが、とりあえず新高岡駅からバスに乗って 雨晴海岸 に行って、氷見線に乗って高岡駅に戻って古城公園の辺りをウロウロして、で、1日目のお泊まりは、石川県になるんっすが、和倉温泉にしようかと。 高岡から和倉まで、 わくライナー というバスが出ているみたいなんっすよね。 和倉 + ライナー = わくライナー。 ちょっぴりウクライナ疑惑っぽさもあったりして、何か、ワクワク♪ で、宿のほうはとりあえず、 ここ を押さえてみました。 湯快リゾートって、どうなんっすかね? やっぱ、安かろう、悪かろう? 大江戸温泉物語のほうは ここ に泊まったことがあるんっすが、意外と悪くなかったんっすよね。 わけアリ部屋は、ワケがあり過ぎぃ! …だったんっすが、それは承知の上だし、料理が普通に美味しかったな…と。 今回の和倉の湯快リゾートもバイキングなんっすが、“ご当地ブランド牛ステーキ付プラン” というのにしたので、かなり楽しみ。 “バイキング+別注グルメ” のパターンがいくつもあるんっすよね。 本ズワイガニ食べ放題付プランとか。 マジかよ? 紅ズワイガニではなく、本ズワイガニ。 湯快リゾートの本気を見た気がしますが、個人的にはまったくソソられるものがありません。 伊勢海老とホタテの豪華海鮮焼きプランというのも、同様。 海鮮とか、いらんねん。 肉や肉。 魚肉ではない、畜肉を食わせろ! ちなみに、ご当地ブランド牛ステーキ付プランのお値段は、本ズワイガニ2肩付プランよりも、ちょっとだけ高い程度。 ご当地ブランド牛ステーキ = 本ズワイ蟹の脚と爪 2.2肩分くらいの換算率っすかね? 期待していいのかどうか、微妙なラインという気もするんっすが、でも大丈夫。 3〜5月のバイキングは 肉祭り または まぐろ祭り 絶賛開催中! 金波荘はどっちの祭りをやってるのかと思ったら、どうやら肉のほうみたいっすな。 ローストビーフ、ハッシュドビーフ、合鴨すし、肉勝つチーズファウンテン、ゴロゴロ牛肉のボロネーゼ、鶏のチーズ焼きバジル風味。 肉や肉、魚肉ではない、畜肉が食えるぞぉぉぉぉ♪ ま、ぶっちゃけ、特に牛肉の質とかにはまったく期待が持てないんっすが、ボロボロ牛肉のボロネーゼみたいなのでも、それはそれで、いいかな…と。 インフィニティ展望露天風呂 も楽しみだし、というか、これが目当てでこの宿を選んだようなものなんっすが、ワークラ、和倉、ワークラ、温泉、ワークラ、和倉、肉祭り〜♪ ワークラ、和倉、ワークラ、温泉、ワークラ、和倉で、インフィニティ♪ バニラの歌 で歌って貰って、で、今日のところは、おしまい。

 ということで、今日はナット・アダレイっす。 日本ではわりと人気っすよね。 というか、日本で不人気なトランペッターって、そんなにいない気がするんっすが、ドン・チェリーっくらいっすかね? ワケがわからんのは。 それ以外は概ね、普通にイケてるような気がするんっすが、ナット君の場合、兄・キャノンボール・アダレイとの絡みや、「ワーク・ソング」 「オールド・カントリー」 といったファンキーな曲作りで人気を博した…と。 角川博はこれといったヒット曲がないので、大して人気を博 (ひろし) することが出来なかったんっすが、ヒロシとは違うんだよ、ヒロシとは。 トランペットの一種であるコルネットという楽器を吹いているんっすが、それが独特の味を醸し出しているな…と。 ここ でフリューゲルホーンを含めた聞き比べが出来るんっすが、ぶっちゃけ、どれもあまり変わらないような? これは恐らく、吹いているオッサンがアカンのではないかと思うんっすが、ナットの場合、一聴して、あ、コルネットのナット、略して、コルナットやな。 そう、判別出来るだけの個性がある…ような気がしないでもなくて、で、今日はそんなナットの 『セイイン・サムシン』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 1966年録音のアトランティック盤。 ナットとアトランティックって、ぜんぜん結びつかないんっすが、前回の これ も普通に名盤だったし、侮れないかも? そんな期待も。 で、これ、年度が明けて4月になったら関西のほうに行ってみようと思っているんですが、うんぬん。 そんな、今回と似たような話が書かれておりますな。 ネタにした後で気が変わって、キャンセルしちゃうのが通例なので、今回の湯快リゾートもどうなるか分かったものではありませんが、んなことで、 『セイイン・サムシン』 。 パーソネルのとこが、かなり複雑になってますが、要点を整理すると、大きく分けて2つのセッションに分類出来るんじゃね? そんな気がしますな。 1,2,4,5 がブラス3本+ホーン2本+ギター2本にパーカッション入りという大編成。 3,6,7,8 がジョー・ヘンダーソン入りの2管クインテット。 概ね、そういうことになろうかと思うんっすが、6,7,8 にはハービー・ハンコックまで入っていたりして、さすがはアトランティック。 メジャー・レーベルだけあって、金に糸目を付けずに、大物をかき集めた感じ? そういう姿勢って、こと日本では嫌われる要因になったりするんっすが、アメリカ人は単純に喜んでいそうっすよね。 ナットとジョー・ヘンの絡みというのは、ちょっと珍しいような気もするんっすが、よくよく考えたらジョー・ヘンはケニー・ドーハムのコンボで頭角を現したワケだし、 「ひみぼうずくん」 は、せんとくんが頭角を現さなかったバージョンっぽいし、とまあそんなことで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは1曲目、 『マンチャイルド』 。 タイトルは 「男の子」 の意味っすかね? だとすれば、まったくソソられるものがないんっすが、ナット君は何が嬉しくて、こんなのを作ったんだか…。 ま、名前はともかく、曲のほうは普通に悪くなかったりするんっすが、ちょっぴりジャズ・ロック調のベターなナンバーではありますな。 テーマ部はナットが吹く主旋律に管楽器軍団が絡むというスタイルで、かなり軽めの仕上がり。 カルメラ焼きが好きな人には、いいかも? 『じゃりン子チエ』 に登場しますよね。 え!! カルメラを焼け!? 出来らあっ! …みたいな。 いや、そんな登場の仕方ではなかったんっすが、いいっすよね、カルメラ焼き。 食べたことはないんっすが、噂によると、大して美味いものでもないそうで。 そういえば、僕が小学生だった頃、金魚祭りの屋台に 「芋せんべい(?)」 というのがあったような? 最近は見掛けないし、ググってもそれらしきものはヒットしないし、もしかしたら幻だったのかも知れませんが、で、演奏のほうはというと、テーマに続いて、ポール・グリフィンという人の短いピアノ・ソロが登場します。 適度にいい感じっす。 続いてナットのファンキーなソロがフィーチャーされます。 その背景では管楽器軍団が賑やかし要員として活躍して、でもって、テーマに戻って、フェイドアウトして、おしまい。 2分43秒の、ほんのちょっとした小さなプチ小品といった感じで、やや物足りなさが残るんっすが、ま、こんなものかな…と。

 で、次。 「コール・ミー」 。 どこかで聞いたことがあるような気がする旋律なんっすが、作曲者としてトニー・ハッチという名前がクレジットされています。 みなしごハッチ、はた山ハッチと並ぶ “世界3大・ハッチ” のひとりでありますが、やくみつるの別名っすよね、はた山ハッチ。 野球漫画を書くときは、この名前だったような? で、ハッチさんちのトニー君はというと、ミュージカルシアターとテレビの英国の作曲家です。また、著名なソングライター、ピアニスト、アレンジャー、プロデューサーでもあります。 そういう人であるっぽいっす。 ググってみたらアストラッド・ジルベルト版の 「コール・ミー」 がヒットしたんっすが、めっちゃ名曲っすよね。 一方のナット版はというと、ミュートがめっちゃ効果的だったりするんっすが、ミュートを付けると、途端にマイルスっぽくなるんっすよね、この人。 オーケストラっぽい伴奏もゴー☆ジャスで、ま、ジャズと呼ぶには、あまりにも軽いんっすが、ま、たまにはこういうのも、いいかな? …と。 その一方、そうは思わない辛口の貴兄もおられるかも知れませんが、そういう人、お待たせ! 3曲目、 「ウォールズ・オブ・ジェリコ」 。 長い名前バージョンだと 「Joshua Fit The Battle Of Jericho」 となるんっすが、日本ではもっぱら 「ジェリコの戦い」 という名前で知られるアメリカのトラディショナルでありますな。 大人数ではない、ジョー・ヘンダーソンが入っているほうのセッションなんっすが、ピアノはハービーではなく、この曲だけジョン・アズベリーという人。 その人の弾くイントロに続いて、2管のユニゾンでテーマが演奏されます。 ミディアム・ファストくらいのテンポで、アレンジは極めてシンプルなんっすが、あくまでもアドリブの出発点。 そんな位置づけだったりするんっすかね? で、そのソロ・パートは、ナット、ジョー・ヘンの順なんっすが、やはりジョーのハードなプレイが、光るじょー。 そういうアレだったりして、辛口の貴兄も足が満たされて、とっても満足。 で、その後、アズベリー君のピアノ・ソロが登場するんっすが、ハービーじゃなけりゃ、意味ないじゃん。 そんな外野の声を封じ込める…ところまでは、いかないかも知れませんが、普通に頑張っていて、悪くないな…と。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 …と思わせておいて、その後もしばらく続いて、フェイド・アウトして、おしまい。 いやあ、熱かったっす。

 で、次。 ナットのオリジナルの 「ゴスペレット」 。 名前からして、コテコテのアーメン・ソングなのかと思ったら、意外とお洒落なバラード調だったりするんっすが、バックの管楽器軍団も適度に節度のある絡み具合だったりして、なかなかいい感じ。 アドリブ・パートに入ると、ちょっとテンポが速くなって、ややファンキーな路線に転じるんっすが、続くポール・グリフィンのピアノのソロも悪くなくて、別にハービーだけがピアニストというワケではないな…と。 でもって、ゆったりしたテーマに戻って、おしまい。 で、次。  「サテン・ドール」 。 超有名なエリントン・ナンバーなんっすが、意表を突かれるくらいのポップなアレンジが施されていて、さすがにこれはちょっと、アレやな…と。 でもまあ、そういうものだと分かってしまえば、これはこれでアレなような気がしないでもなくて、が、そうは思わない辛口の貴兄もおられるに違いなくて、そういう人、お待たせ! 6曲目、 「カンタロープ・アイランド」 。 言わずと知れたハービーの代表作なんっすが、それを本人のピアノまで入れてやっちゃうとは、ある意味、ベタな企画でありますな。 アトランティックが金に物を言わせた感じ? でもまあ、結果がよければ、それでオーライなんっすが、2管のユニゾンによるテーマ部は、わりとオーソドックスな仕上がり。 続くナットのソロは、適度にモーダルな要素を絡めながら、いい具合に頑張ってくれていて、で、それを引き継ぐジョー・ヘンのソロも、出だしこそ大人しめながら、次第に本性を現していく感じが半端なくワイルドで、イケるやん♪ で、目玉のハービーはというと、流石。 その一言。 軽く流してるようにも聞こえるんっすが、説得力が半端ないっす。 別にハービーだけがピアニストというワケではないんっすが、やっぱりちょっと、頭ひとつ分くらいは抜けているな…と。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 ベタな企画でありましたが、ま、結果オーライ。

 で、次。 「ヒッポデルフィア」 。 ジョー・ザビヌルの曲なんっすが、キャノンボール・アダレイ・クインテットの同僚だったよしみで、この曲を取り上げたのではなかろうかと。 どうせなら、岩崎良美のよしみで 「タッチ」 も取り上げて欲しいところなんっすが、甲子園の応援のブラバンの定番なので、コルネットでもイケる筈っすよね? ま、それは、今後の課題として検討して貰うとして、で、この微妙にカバっぽい名前の曲、どこかで聞いたことがありますな。 恐らく、キャノンボールの元で演っているに違いありませんが、調べてみたら、超有名な 『マーシー・マーシー・マーシー』 に入ってました。 アレが1966年12月で、これが同年5月なので、こっちのほうが元祖っぽいっすな。 キャノンボールとジョー・ヘンでは、タイプが違い過ぎるんっすが、ナット君はどちらのスタイルにも上手く溶け込んでいて、サイドマンの鏡であるな…と。 いや、これは自分のリーダー作なんっすが、何か、脇役気分が抜けないキャラだったりするんっすよね。 その、おっとりしたところが、鳥取やハットリよりも上。 そのように評価していいかも知れませんが、とまあそんなことで、テーマに戻って、おしまい。 ハービーのソロが短めで、その点では少し物足りなかったんっすが、ま、ここではあくまでも脇役だし、とまあそんなことで、ラストっす。 ナットのオリジナルで、 「ジ・アザー・サイド」 。 ファンキーとモーダルがない交ぜになったような曲調なんっすが、先陣を切るナットのソロは、彼にしてはかなり、前衛的な仕上がり。 続くジョー・ヘンのウネウネなブロウは “らしさ” 全開で、ここに来て完全に吹っ切れちゃった感じ? 続くハービーは、言わずもがなで、それはそうと、言わずもがなって、言わず・もがな? それとも、言わずも・がな? 個人的には後者のほうが、倉科カナっぽくて、いいな♪ そんな気がするんっすが、えーと、 ここ 参照。 いわ + ず + もがな。 あー、前者じゃん。 駄目じゃん…。 が、演奏のほうは、ぜんぜん駄目じゃなくて、良くて、とまあそんなこんなで、テーマに戻って、今日のところは、以上っす。

【総合評価】 ベタ過ぎる。 軽すぎる。 ポップ過ぎる。 そんな系統が半分を占めているんっすが、後半はハード路線が中心で、結果、全体をいい方向に締めてくれましたな。 硬軟織り交ぜたバラエティーに富んだ演奏が楽しめる。 そのように評価することも出来るし、アトランティックのナット・アダレイ、侮れなくて、まあまあ、オススメ☆


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