WORKIN' (PRESTIGE)

MILES DAVIS (1956/5/11,10/26)

WORKIN' ←click!!


【パーソネル】

MILES DAVIS (tp) JOHN COLTRANE (ts)
RED GARLAND (p) PAUL CHAMBERS (b) PHILLY JOE JONES (ds)
【収録曲】

(01-04) IT NEVER ENTERED MY MIND / FOUR / IN YOUR OWN SWEET WAY / THE THEME (Take #1)
(05-08) TRANE'S BLUES / AHMAD'S BLUES / HALF NELSON / THE THEME (Take #2)
【解説】 ( 2020年04月12日更新 / 連載 1,389回 )

 京都と福井と石川と富山に行って来ました。 不要不急の外出は控えろって言うてるやん! 自粛せんかい! そう、叱られちゃいそうなんっすが、当時はまだ、緊急事態宣言は出されてなかったし…。 三重県では10数人くらいしか陽性患者が出てないし…。 三重県知事の鈴木AKくんは当時、愛知、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、北海道への移動の自粛を呼びかけていたんっすが、桑名から車で岐阜羽島駅、そこから新幹線で滋賀県経由で京都まで。 そこから北上して、福井、石川、富山。 このルートなら、自粛エリアを通らなくて済むし、当時、石川県の知事が 「気分転換に、兼六園へ花見に来てね!」 みたいなことを言ってたし、とまあそんなこんなで、ま、いっかぁ…と。 そういう甘い考えがアカンのや! そう、叱られちゃいそうなんっすが、でもまあ、既に行ってしまったものは今更、取り返しが付かないし…。 今はもう、そんな状況ではなくなってしまったんっすけどね。 鈴木AKくんが 「感染拡大阻止緊急宣言」 というのを出して、岐阜と京都への移動も自粛しなければならなくなっちゃったし、石川県の知事も過去の言動を悔い改めちゃったし…。 結果としてギリギリ…というか、小池百合子ちゃん言うところの “ギリギリギリ” な状況での強行だったんっすが、とまあそんなこんなで、とりあえずは京都。 そうだ鯖江、行こう。 そんな話を ここ に書いたんっすが、最終的にヤメました。 どこかに書いたような気がする 「うみあかり」 にお泊まりするプランも変更になりました。 今年は桜の見頃が例年より1週間ほど早まりそうで、4月3〜5日という日程だと、京都の辺りは完全にピークを過ぎちゃってるぽい? 北陸の辺りが、ちょうど見頃になるかも? …とか思っていたら、普通に例年並みになりそうで、じゃ、初日の午前は京都にするかぁ…と。 んなことで、行って来ました。

 まずは “哲学の道” 。 うちの会社の社長は “哲 (てつ)” という名前なんっすが、哲クンが何かを学びながら道を歩いているところを想像すると、何だかとっても二宮金次郎。 ちなみに哲クンはめっちゃ人格者で、くずな要素が微塵もないので、社員はみんな、陰で 「てつくず」 と呼んでいる…などということはまったくないので、念のため。 今回のコロナ騒動でも社員の安全と健康を第一に考えて、来週からしばらく金曜日を在宅勤務にするという英断を下して下さいました。 金曜日だけ? 何か、意味あるんか? …という気がしないでもないんっすが、ま、三連休みたいなもんだから、特に文句を言う筋合いはないんっすけど。 会社に集結するのがアカンだけで、客 = 役所に呼ばれて、修理とかに行くのはぜんぜん大丈夫なんだそうっすが、とりあえず来週の金曜日は現場の予定を入れてしまったので、あまり意味はありませんな。 現場に直行して、そのまま直帰してやるぅ! チョッキだって、着てやるぅ! ま、いつもほとんどそうしているし、チョッキを着るにはちょっと暑くなってきたし、ベストのことをチョッキと呼ぶのは、パンツのことをズボン、バンドのことをベルトと呼ぶのと同じくらいオッサン臭くてアレだし、ん? バンドとベルトって、どちらがオッサンで、どちらがナウなヤングなんでしたっけ? 最早、よく分からなくなってしまいましたが、とりあえずチョッキを着てみたところで、僕にはまったく何のメリットもないな。 そんな気がしないでもなくて、で、えーと、 “哲学の道” 。 永観堂付近にある熊野若王子神社前の冷泉通若王子橋を南端として始まり、東山山麓の琵琶湖疏水に沿って銀閣寺西の今出川通銀閣寺橋を北端として続く約1.5kmの散歩道。 そういった道であるワケなんっすが、とりあえず銀閣寺の辺りまで行って、そこから南下するというのが一般的なルートではなかろうかと。 この、とりあえず銀閣寺の辺りまで行って…というのが、地味に難関だったりするんっすが、地下鉄や電車の駅から離れているので、どうしてもバスに乗らんとアカンのっすよね。 桜の季節や紅葉シーズンの京都って、大渋滞でバスの時間がまったく読めないし、人が多過ぎて積み残しも発生するし、無論、車内はめっちゃ混んでて座れないし、目的の停留所に着いて降りようとしても、まったく身動きが取れなかったりするし、あまり利用したくない公共交通機関の筆頭だったりするんっすよね。 が、この日は金曜日だし、こういうご時世で、京都も空いているだろうし、バス、行けるんちゃう? そんな気がしないでもないので、行ってみました。

 銀閣寺の最寄りのバス停は 「銀閣寺道」 もしくは 「銀閣寺前」 ということになるんっすが、 「銀閣寺道」 のほうは、銀閣寺に通じる道の沿線の、何か適当な地点。 そういった感じで、まったく最寄りではなかったりするので、出来れば 「銀閣寺前」 のほうに止まるバスを利用したいところ。 市バスの100号系統、通称 洛バス というのが、いちばん分かりやすいかと。 あ、100号系統 = 洛バスなのかと思っていたんっすが、洛バスにも3系統あるんっすな。 その中の100号系統というのは、 これ 。 博物館三十三間堂前 → 清水道 (清水寺の最寄り) → 祇園 → 岡崎公園 美術館・平安神宮前 → 銀閣寺前。 京都観光の超黄金ルートやんけ! 常時ならメチャ混みするのは必至で、ぜんぜん楽じゃない洛バスなのは確実なんっすが、この日は金曜日だし、こういうご時世だしで、楽勝でした。 京都駅前を時間通りに発車したし、余裕で座れたし、銀閣寺前に時間通りに到着したし。 朝早過ぎて、まだ空いてなかったので、銀閣寺はパスすることにしたんっすが、銀閣寺そのものに、あまり桜のイメージがなかったりもするし。 ということで、 “哲学の道” に、直行。


< 哲学の道 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 ちょうどいい感じに見頃〜。 ここを散策する時は、アレっすよね。 「哲学者の西田幾多郎がこの道を散策しながら思索を深めたから、 “哲学の道” って呼ばれるんだよねー。」 まず最初に、そんな蘊蓄を披露しておいて、「おい、鬼太郎!」 と、目玉おやじの真似をして、 「その鬼太郎と違うがな!」 …と、突っ込みを入れる。 ここまでがワンセットで、お約束。 続いて、「この小さな川みたいなのは、琵琶湖疎水なんだよねー。」 そんな蘊蓄を披露して、「エリー、マイ・ラーブ、疎水〜♪」 と、 『いとしのエリー』 の節で歌って、「“so sweet” やがな!」 …と、突っ込みを入れて、ダダ滑りする。 そこまでが次のセット。 一発目だけでヤメとけばよかったのにぃ…。 ま、最初の時点で、既にアカンかったような気もするんっすが、いずれにしろ、一人で歩いて、一人で一人ツッコミをしていたりすると、何だかアホみたいなので、とりあえずブツブツと独り言を呟くに留めておきました。 桜と疎水の取り合わせが、何とも言えずに “so sweet” なんっすが、で、先ほど、銀閣寺のアクセスについてググってみたら、衝撃の事実が発覚したんっすが、サジェスト機能で 「銀閣寺 すみっコぐらし堂」 というのが出て来て、ん? あー、いつの間にか こんなん 出来てるやん! 3.19って、さばクン誕生日にオープンしてるやん! コラボカフェっすかぁ。 『100日後に死ぬワニカフェ』 はオープンして3日後に休店しちゃったみたいなんっすが、あの “100ワニ” にしてこのザマなので、 “すみっコぐらし” ごときで大丈夫なんっすかね? 未だに 「たぴおかドリンク」 とか、売ってるし…。 ま、 たぴおか は、 “すみっコぐらし” の主要キャラなので、当然と言えば当然なんっすが、 ミルクティーだけ先に飲まれて、吸いにくいから残されてしまった。 そんな設定だった筈なのに、何故だかブレイクしてしまったという。 ま、タピオカは吸いにくいからどうでもいいんっすが、すみっコぐらし焼きカップ&コースターセット、買えばよかった…。 こんな店があるのを知っていたら、寄っておくべきでありましたが、清水寺とか三年坂とかでなく、銀閣寺というところが、すみっコっぽくて、いいっすなぁ。

  んなことで、 “哲学の道” を南下。 途中で山のほうの道に逸れて、 霊鑑寺 のほうに行ってみたんっすが、春の特別公開は10時からっすかぁ。 時間が早過ぎて、まだ空いてなくて、無念…。 それはそうと、100ワニカフェの メニュー 、なかなか強気の価格設定でありますな。 見た目的にはスガキヤラーメンと大差無さそうな 「極真ラーメンメン」 が \1,490 (税抜) って…。 あ、でも、美味しそうにラーメンを食べているワニたちのイラストが入った海苔が入ってるから! スガキヤラーメンには、入ってないから! しかも、付属品のお持ち帰りが可能だから! 極真ラーメンメンは、箸袋を持ち帰れるから! で、えーと、レーガン元大統領ゆかり? あ、レーガン寺じゃなくて、レーカン寺? なら、レーガン元大統領には何の関係もないかも知れない霊鑑寺は諦めて、その代わりに、 ここ を覗いてみることにしました。 たいほう神社? あ、 「おおとよ神社」 と読むんっすか。 狛犬ならぬ、 “狛ねずみ” で有名らしいんっすが、ネズミと言えば、ミッキーマウス、 『トムとジェリー』 のジェリー、 『100ワニ』 のネズミくんが “世界3大ネズミ” っすよね。 神社の創建は、平安時代初期の仁和3年 (887) 。宇多天皇の病気平癒を祈願するため、藤原淑子が薬の神様・少彦名命 (すくなひこなのみこと) を、うんぬん。 そんなことが書かれておりますが、藤原淑子っすかぁ。 ちなみに、ジェリーの声は藤田淑子っすよね。 藤原淑子のほうは小野妹子とかと同様、実はオッサンである可能性が高かったりするんっすが、んーと、 これ 。 “しゅくこ” もしくは “としこ” かと思ったら、まさかの “しゅくし” もしくは “よしこ” 。 で、オッサンなのかと思ったら、まさかの貴族女性、女官。 大豊神社に関する記述は特に無かったりするんっすが、とりあえず中を覗いてみることにしましょうか。


< 大豊神社 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 まずは (写真・いちばん上) 。 お手水っすな。 ここはちゃんと柄杓が2本用意されていたんっすが、新型コロナウイルス感染拡散防止の為に、柄杓を撤去しているところもあるみたいっす。 よくよく考えたらコロナを抜きにしても、どんなオッサンが使ったのか分からない柄杓をニギニギしたり、口を付けたりするのって、かなり抵抗がありますよね。 が、逆に考えると、修学旅行生がたくさん押し寄せる神社なら、JSやJCやJKが使用した直後の柄杓である可能性が高いワケで、先生、俺、今すぐ神社に行って、身と心を清めて来るよ! そう、言いたくなってしまうんっすが、ちなみに、正しい手水の使い方は、 ここ 参照。

 3.再び柄杓を右手で持ち、左手で水を受け、口をすすぎます。 ※柄杓は直接口につけないでください。

え、マジかよ? 今までずっと、直接口をつけて飲んじゃってました。 いや、飲んじゃってる時点で間違ってる気もするんっすが、もし、JSやJCやJKが柄杓に口をつけてないのだとすれば、魅力は半減でありますなぁ。 先生、俺、やっぱり神社に行って身と心を清めるの、ヤメるよ…。 あ、でも、清水寺の例のアレ。 アレはどうなんっすかね? アレというのは何なのかというと、 これ 。 これは絶対、柄杓に口をつけて飲んでますよね? また、修学旅行で訪れた生徒たちも、必ずと言っていいほどこの滝に立ち寄る人が多く、やはり中高生にも、この滝は必須の人気のスポットのようです。 ほぉほぉ。

  恋愛成就/縁結び💛(向い見て真ん中)

  好きな人とうまくいきたい、良き相手と結婚したいと願っている人💛..チュっ💛

 おお、真ん中! ここに並べばいいんっすな! が、学業成就 (向い見て左側) 。 真面目な女子児童や女子生徒はこっちに並んでいる可能性もあるので、向い見て左側も捨てがたいっすよね。 延命長寿 (向い見て右側) 。 ここは基本、年寄りしか並んでなさそうなので、ま、いっかぁ…と。 今のご時世だと、ここが一番人気だったりするような気もするんっすが、とりあえず、先生、俺、神社はやめて、清水寺で身を清めることにするよ!

 それと、音羽の滝を飲む柄杓は、一応、滝の後方に殺菌する機械があり、その中で紫外線殺菌されていますので
 関接キッス💛チュっ💛・・とするわけではありませんので、ご安心を。

 ええ…、そうなん? さすがは修学旅行生のメッカだけあって、抜かりはありませんな。 でないと、純真な女子児童や女子生徒が安心して柄杓に口をつけられませんからね。 いい心掛けだと思います。 殺菌なんかされちゃったら、魅力半減じゃん…。 そんなふうに思ってしまう初心者がいるかもしれませんが、それは間違いっす。 汚れなきJSやJCやJKに、もともと “菌” など付着している筈がないので、ぜんぜん問題ないっす。 大丈夫っす。 書いているうちに、次回こそ絶対、清水寺に行かなければ! そんな使命感が湧いてきたんっすが、早くコロナが収束して、みんなが安心して修学旅行に行けるようになるといいっすな。 そんな日を心待ちにして。 で、 (写真・上から2枚目) 。 狛ねずみに因んで、十二支全般もフィーチャーしているのか、灯籠のところに動物のフィギュアが並べられておりました。 やはり、2020年ネズミ年の押しとして、 こんな記事 もあったんっすが、下のほうに 「十二支?」 と書かれた写真が。 2019年11月30日現在の状況より、明らかに数が増えてますな。 これで十二支コンプリートなのかどうかは定かでありませんが、ステゴザウルスは排除されたっぽい? 捨てられて捨て子ザウルスになっちゃったのなら、何とも可哀想なんっすが、ま、十二支とは関係ありませんからね。 残念ではなく、当然と言えるかも知れませんが、で、噂の “狛ねずみ” はというと、おお。 なかなか可愛いっすな。 残念ながら椿の花は飾られてなかったんっすが、右の阿形の狛鼠が持っているのは巻物で、学問を意味します。 で、左側の狛鼠が持ってるのは、どんぐり? …と思ったら、そうではなく、水玉。 よくよく考えたらネズミは栗鼠ではないので、ドングリじゃなくても不思議ではないんっすが、何でまた、水の玉なんかを…。 豊穣と薬効を象徴し、また生命の源である水の玉。 そういったアレらしいんっすが、ま、個人的に水玉模様のパンツというのはかなり好きなので、ぜんぜんアリだとは思うんっすけどね。 ちなみにこの “狛ねずみ” は1969年(昭和44年)生まれなんだそうで、意外と歴史は浅かったりします。 僕よりひとつ年下やん! ガキやん! で、椿もちゃんと咲いておりました。 (写真・いちばん下) 。 結ばれた御神籤とのコントラストがなかなかいい感じで、とまあそんなことで、大豊神社。 なかなかよかったっす。


< 南 禅 寺 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 で、続いては南禅寺に立ち寄ってみました。 ここは桜が咲き乱れているというワケではないんっすが、ポイントを押さえて、いい感じに植えられている感じで、エエな♪ …と。 「絶景かな」 の三門や、法堂の花頭窓と絡めるのが定番の構図なんっすが、ここ、今回は行かなかったんっすが、 方丈庭園 もイケてるし、天授庵や南禅院といった塔頭や別院もあるし、何より、他の寺社仏閣には絶対に無いであろう 水路閣 というキラーコンテンツがあって、凄ぇぇぇ! …っすよね。 琵琶湖疎水は “哲学の道” や、次回登場予定の “インクライン” も生み出して、まさに “so sweet” なんっすが、んなことで、この続きはまた、次回。

 ということで、今日はマイルス・デイビスっす。 超有名&大人気っすよね。 詳しい説明は不要と思われるので、省略させて頂きますが、ま、面倒臭いから書かないだけの話なんっすけど。 マイルスの場合、どのアルバムを取り上げるかで、ジャズ・ファンとしての真価を問われるようなところがあるんっすが、超保守派の僕の場合、プレステッジ時代は概ねオーケーで、Columbia期なら 『ネフェルティティ』 くらいまで。 電化マイルスは正直、ちょっと…。 電気の理論は小難しくてよく分からないし、触るとビリビリしそうで、あまり近づきたくはないんっすが、仕事の関係上、避けて通ることは出来なくて、とまあそんなことで、今日は 『ワーキン』 を取り上げてみたいと思います。 いわゆる “ing4部作” のうち、3枚は既に紹介済みなので、残されたのはこの1枚ということになるんっすが、ちなみに名前が紛らわしい 『ウォーキン』 は “ing4部作” には入りません。 あれは マラソン・セッション とは別物っすからね。 こうしてみると、 『ワーキン』 だけ、ジャケットのセンスが群を抜いて抜群にダサいんっすが、ここでのマイルスくんは、道路工事の現場をちょっと覗きに来た営業担当者って感じ? 缶コーヒーでも差し入れてくれたんならともかく、煙草だけ吸って、 「邪魔したな!」 とか言って帰っていったのだとしたら、ホンマに邪魔しに来ただけやんけ…。 そう、思わずにはいられなくて、で、この道路工事現場のローラーみたいな車。 漫画だと、こいつに轢かれると、神みたいにペラペラになっちゃうところなんっすが、実際はかなりグロいことになっちゃうに違いなくて、とまあそんなこんなで、1曲目。  「イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド」 。 先ほどのブログの人も絶賛しておりますが、確かにこれ、デラぜっぴん。 何でもいいけど、往年のスケベ雑誌 『デラべっぴん』 の “デラ” って、今までずっと名古屋弁だと思ってたんっすが、もしかして、デラックスのデラ? 「でら、べっぴんだでかんわー。」 というアレではなかったりするとか? だとすれば、ちょっとした衝撃なんっすが、それはそうと、この 「それは私の心に入ったことはありません」 。 英語版の Wikipedia を翻訳したら、そんな邦題になっちゃったんっすが、ちなみにアルバム名は 『マイルス・デイビス・クインテットと働く』 。 それが正式名称だったんっすな。 僕たち、一緒に働く仲間じゃないか! そんな感じで、ちょっぴりマイルス君が身近に思えてくるんっすが、これ、“卵の殻の上を歩く男” という形容がぴったりのミュート・トラムペットはもちろんの事、レッド・ガーランドのピアノが、たまらんっ♪ イントロの玉を転がすようなタッチが、チョー玉転がしっ♪ そこから、すーっとマイルスのミュートが入ってくる瞬間は、まさに背筋ゾクゾクものなんっすが、この瞬間、このアルバムの成功は約束されたようなものっすよね。 マイルスがシンプルにテーマを歌い上げた後、ピアノのソロが登場。 シングルトーンとブロックコードの使い分けが絶妙で、たまらんっ♪ でもって、テーマに戻って、おしまい。 基本、マイルスのソロはなくて、コルトレーンに至っては、締めのところにチョロっと絡んでくるだけなんっすが、当時、血気盛んな期待の若手という立場だったので、ムードをぶち壊されるのを懸念しての処遇なのでありましょう。 結果、それが大成功だったんっすが、ググってみたら、菅章クンが こんなレビュー を書いてました。 とりわけ It Never Entered My Mindでは静のマイルスに対してコルトレーンのうねるような動的ソロが印象的である。 え? え? 菅クン、何も聞いてない? もしくは違う曲と勘違いしてる? 真相は不明なんっすが、とりあえず、次。

  「フォア」 。 僕の持ってる日本盤CDでは、作曲者としてマイルスの名前がクレジットされているんっすが、英語版 Wikipedia だと、Eddie Vinsonが Davisのために作成した曲です。 そんなふうに書かれていて、多分、そっちが正解。 ちなみに Eddie Vinsonの項を見ると、Eddie "Cleanhead" Vinsonは、アメリカのジャンプブルース、ジャズ、ビバップ、R&Bアルトサックス奏者、ブルースシューターでした。 ストレートヘアケア製品に含まれる灰汁によって髪が誤って破壊された事件の後、彼はクリーンヘッドの愛称で呼ばれた。 そんなことが書かれていて、ちょっと笑いました。 髪が誤って破壊って、恐ろし過ぎぃ…。 で、これ、前曲がガーランドのピアノを浮かび上がらせるものであったのに対して、今度はフィリー・ジョーのタイコを前面に押し出すものとなっておりますな。 何とも調子のいいナンバーで、演奏している側が、めっちゃ気持ちよくなれそうなんっすが、2管のハモリでシンプルなテーマが演奏された後、マイルスのソロが登場します。 動的な溌剌とした吹きっぷりだったりして、マイルスって実は、あまりトランペットが上手くなかったりするんじゃね? そんな疑念を払拭してくれるような気がしないでもなくて、で、続くコルトレーンのソロも、荒削りながら、悪くはないんっすな。 若さを感じさせる、わかさ生活って感じ? 続くガーランドのソロは、玉を転がすようなタッチが大人の余裕だったりして、この面子の中では、いちばん円熟を感じさせるな…と。 で、最後、ラッパとタイコの掛け合いで大いに盛り上がって、でもって、元気の出るテーマに戻って、おしまい。 純粋にハードバップとして楽しめる、そんな仕上がりでありました。

 で、次。  「イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ」 。 デイブ・ブルーベックによる珠玉の名曲なんっすが、英語 Wikiの翻訳だと、 「あなた自身の甘い方法で」 。 そんな邦題になっちゃってます。 出だしはバラードで、1曲目と似たような雰囲気なんっすが、そこにコルトレーンが加わって、雰囲気ブチ壊し…とまでは言いませんが、ちょっと違った路線に転じることになります。 それはそれで、アリかな? …と。 静のマイルスに対してコルトレーンのうねるような動的ソロが印象的である。 菅クンはあるいは、これのことを言ってたのかも知れませんが、プレスティッジ時代のコルトレーン、略してプレーンが好きな人なら、余裕でミキプルーンかな? …と。 でもって、テーマに戻って、おしまい。 基本、ピアノとラッパにソロの機会は与えられず、トレーンをフィーチャーしたナンバーであったな…と。 で、次。 「テーマ」 。 マイルスノライブでよく聞かれる例のアレなんっすが、A面の最後にコレを持って来た辺り、基本、スタジオ・ライブみらいなノリで作られた1枚であることが分かります。 短い演奏なんっすが、ポール・チェンバースのピチカート・ソロがフィーチャーされたりして、ま、そこそこ、聴き応えはあるな…と。

 んなことで、次。  「トレーンズ・ブルース」 。 (別名 「Vierd Blues」 、Blue Noteの創設者である Francis Wolffの非常に強調された評決に対するほのぼのとした言及) は、デービスの功績も認められ、実際には John Coltrane作曲 (元のタイトルは「ジョン・ポール・ジョーンズ」、およびベーシストのポール・チェンバーズが率いる以前のセッションから;テーマの締めくくりの前に、コルトレーンとデイビスはチャーリー・パーカーの 「ザ・ハイム」 を少し演奏します)。 そういうアレなんっすが、曲そのものは何と言うことない、シンプルなブルースでありますな。 2管の絡みによるテーマに続いて、マイルス、トレーン、ガーランドの順で、各自の堅調なソロが披露されます。 個人的には、ピアノの出来が一番いいように思えるんっすが、後に 「ヘイ・ナウ」 というオリジナル曲に発展しそうなフレーズも聞かれたりします。 最後はチェンバースのピチカート・ソロで地味に締めて、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、次。 「アーマッズ・ブルース」 。 「なんとかズ・ブルース」 が続きますが、マイルスのプレイに影響を与えたとされるピアニスト、アーマッド・ジャマルのオリジナルでありますな。 ホーン抜きのトリオ演奏で、ガーランドの偏重が目立つんっすが、これはこれで、アリかな? …と。 途中、チャンバースのアルコ・ソロが出てくるのは、正直ちょっと、どうか…。 そんな気がしないでもないんっすが、ラストのピアノとタイコの絡みは悪くないと思うし、とまあそんなこんなで、次。 マイルスのオリジナルで、 「ハーフネルソン」 。 羽交い締め ところにフルネルソン、ハーフネルソンという単語が登場しますな。 ハーフネルソンは片羽交い締めっすか。 レッド・ガーランドって、温厚そうな見た目なのに、実は元プロ・ボクサーだったりする意外な経歴の持ち主だったりするんっすが、プロレスとかもイケるんっすかね? マッコイ・タイナーに羽交い締めにされたら、間違いなく漏らしちゃうに違いありませんが、ガーランドなら、優しく抱きしめてくれそう。 そんな気がしないでもなくて、で、えーと、「ハーフネルソン」。 わりかし激しいナンバーっす。 フィリー・ジョーの活きのいいタイコに続いて、元気なテーマが演奏され、マイルス、トレーンの順でソロがフィーチャーされます。 この1曲だけ10月の録音で、この半年の間にトレーンが飛躍的に上手くなってる…と、よく言われるんっすが、他の5月のセッションと聞き比べてみると、おお、確かに。 余裕というか、大御所感のようなものが漂って来ましたな。 いや、何となく。 「100ワニ」 のヒヨコも、何日か目にニワトリに成長しておりましたが、それと似たような感慨を覚えてしまいます。 「・・・なんかなー 別にいいけどねー」 ワニくんはヒヨコの成長をあまり喜んでいないみたいなんっすが、小さなヒヨコのままのほうが可愛かったのに…。 その気持ち、ワカランでもないんっすが、その一方、コルトレーンの成長は単純に喜ばしく、終盤のマイルスとの絡みも大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 で、ラストは再び 「テーマ」 で締めて、おしまい。

【総合評価】 “ing4部作”の中では 『ワーキン』 が、いちばん好きっ♪ そんな意見がわりと多く見られたんっすが、その気持ち、分かるような気がします。 とにかく、冒頭の 「イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド」 で、心を羽交い締めされてしまいます。 それ以降、「あなた自身の甘い方法で」 を除けば、ぶっちゃけ、あまり日本人受けしないバップ系の曲が多いんっすが、演奏のほうが溌剌としているので、まったく問題ありません。 これを聞くと、明日からまた、元気に働こう! そんな活力が湧いてくる…というワケではなく、明日は月曜日かぁ。 …と、今からブルーになっちゃうんっすが、ま、仕事があるだけ、幸せじゃん。 そう思わないと、やっていけなくて、さあ、みんな、マイルス・デイビス・クインテットと働け!!


INDEX
BACK NEXT