A PART (DEEP JAZZ REALITY)

日 野 皓 正 (1970)

A PART ←click!!


【パーソネル】

日野皓正 (tp) 植松孝夫 (ts,bs) 杉本喜代志 (g)
市川秀男 (p,el-p) REGGIE WORKMAN (b) 日野元彦 (ds) 今村裕司 (perc)
【収録曲】

(01-03) A PART / ODE TO WORKMAN / BE AND KNOW
【解説】 ( 2020年10月18日更新 / 連載 1,416回 )

 うわぁぁぁぁぁぁ…。 貴重な “筒キョン” がぁぁぁぁ…。 あぁぁぁぁぁ…。 前々回 、松本伊代の 「センチメンタル・ジャーニー」 を久しぶりに聞いて、作詞:湯川れい子/作曲:筒美京平。 さすがというしかありませんが、筒キョン、半端ねぇ…。 そんな感想を書いたところだったんっすが、そのすぐ後に訃報に接することになるとは…。 うわぁぁぁぁぁぁ…。 80歳だったんっすな。 筒美京平って、何だか無駄にカッコいい名前なので、もっと若いものだと思い込んでいたんっすが、本名は渡辺栄吉。 これだとまあ、80歳なのも納得なんっすが、この歳 (トシ) でよく、ヤングな若者のハートをキャッチするメロディーを書けたものでありますなぁ。 ちなみに僕は、2ちゃんねるだか、5ちゃんねるだかの “【訃報】 筒美京平さん死去 「スニーカーぶる〜す」 など作曲” というスレで、お亡くなりになられたことを知ったんっすが、よりによって、代表作が近藤真彦(マッチ)かよ! …というので、かなり文句を言われておりました。 個人的に近藤真彦って、そんなに嫌いではなかったりするんっすが、さりげなく人命救助だってしちゃうし、歌のほうも田原俊彦よりは、ぜんぜんマシだったりしますよね。 トシちゃんのほうは、デビュー曲の 「哀愁でいと」 こそ、洋楽のカバーだから、ぜんぜんイケるんっすが、ちなみに元歌は これ 。 「New York City Nights」。 おお、めっちゃ都会派アーバンやん! 「いなべ市の夜」 とは、ワケが違うんっすが、ちなみに石井明美の 「CHA-CHA-CHA」 も、洋楽カバーだったんっすな。 今の今まで、知りませんでした。 原曲は これ ? 何か、石井明美のほうがいいんじゃね? そんなふうに思ってしまったんっすが、街で〜噂の〜、辛口〜セクシーガール♪ …という日本語の歌詞は、ちょっとどうか? そんな気がしないでもないんっすけど。 で、田原俊彦。 デビュー曲は悪くなかったんっすが、その後は、あまりよくなかったっすな。 「君に薔薇薔薇…という感じ」 とか、ネタとしては最高ランクなんっすが、純粋に歌としては、どうよ? …と。 「NINJIN娘」 とか、聞いているだけで、こっ恥ずかしいし、カラオケで歌う気にならないのも、どうよ? …と。 同じ 「真っ赤っか」 なら、まだ香田晋の 「酒場の金魚」 のほうがいいっすよね。 カラオケでよく、長縄クンが熱唱していて、聞いてるこっちのほうが、こっ恥ずかしくなってしまいましたが、で、一方、近藤真彦。 「スニーカーぶる〜す」 、悪くないじゃん! というか、久米宏と黒柳徹子、若ぇぇぇぇぇぇ! で、作詞:松本隆/作曲:筒美京平。 黄金コンビっすなぁ。 (左から) 筒美京平さん、松本隆氏 。 おお、こんな顔だったんっすな。 何で、京平は 「さん」 で、隆は 「氏」 なん? 「たかし氏」 って、言いにくいやん。 そんな気がしないでもなくて、敬称の使い分けの意図が不明なんっすが、で、たかし氏、いちいち、コメントが “くさい” っすよね。 大瀧詠一がお亡くなりになった時も、 「今日、ほんものの十二月の旅人になってしまった君を見送ってきました。」 とか何とか言っておりましたが、作詞家だから、何か、気の利いたコメントを出さなきゃ! そんな義務感に駆られているのか、あるいは “天然” なのか…。 聞いてるほうは、こっ恥ずかしくなってしまうので、やめて頂きたいところなんっすが、個人的には 「木綿のハンカチーフ」 の歌詞も、あんまり…。 太田裕美なら断然、 「九月の雨」 っすよね。 作曲・編曲:筒美京平っすか。 実は作曲家よりも編曲家のほうが、エラいんじゃね? よく、そんなふうに言われるんっすが、自分でアレンジも出来るとなると、これはもう、最強っすよね。 セプテンバー・レイン・レイン〜♪ いやあ、やっぱ、9月っすよね。 僕が3月生まれなので、3月が好きだったりするんっすが、マーチ・レイン・レイン〜♪ …では、語呂が悪すぎるし。

 「ドール」 。 これも、いいっすなぁ。 ドール、ドール、ドール、横浜ドールぅぅぅ♪ いやあ、やっぱ、横浜っすよね。 これがもし、 「いなべ市ドール♪」 だったら、何もかもが台無しなんっすが、で、話を近藤真彦に戻します。 「ギンギラギンにさりげなく」 。 何やこの、微妙な服装のセンス? …というのは、さておいて、で、改めて聞き直してみると、さほど名曲でもないような? そんな気もしてきたんっすが、みんな、アイガッチュベイビー、アイニージュベイビー、アイウォンチューベイビー、ライドオン、言いたいだけちゃうん? そんな気がしないでもないんっすが、ちなみにこれ、作詞:伊達歩なんっすな。 誰や? …と思ったら、伊集院静だったんっすが、近藤真彦の歌なら、個人的には 「夢絆」 が、好き♪ 今の今まで 「夢絆(ゆめきずな)」 だと思っていたのは内緒なんっすが、作詞:売野雅勇/作曲:鈴木キサブロー。 あ、これ、筒美京平ではないんっすな。 鈴木キサブローって、名前が糞ダサいんっすが、本名が鈴木喜三郎だから、やむを得ないし、1980年に沢田研二に提供した 「酒場でDABADA」 が第22回日本レコード大賞・金賞を受賞。 1986年に中森明菜に提供した 「DESIRE −情熱−」 は、第28回日本レコード大賞や1986 FNS歌謡祭グランプリ等多くの賞を受賞した。 この2曲だけで、一生食っていけそうっすよね。 ちょっとネタっぽいっすが、普通にいい曲なんっすよね、「酒場でDABADA」 。 阿久悠って、変な詞を書くイメージがあるんっすが、普通にいいのもあったりしますよね。 作詞:阿久 悠/作曲:筒美京平だと、尾崎紀世彦の 「また逢う日まで」 っすか。 尾崎紀世彦と言えば、もみあげのイメージしかなかったりするし、 「また逢う日まで」 と言うと、小学校の下校時間に流れる 「今日の日はさようなら」 の歌詞と、ごっちゃになったりするんっすが、キヨピーのは これ っすな。 歌、うめぇぇぇぇぇぇ! 「歌のレベルの高さと、ダンスのレベルの低さを同時に楽しむ」 とか、「謎ダンス」 とか、コメントされておりますが、ふたりで〜、ドアを閉めてぇぇぇぇぇ♪ これはまだ、分かるとして、ふたりで〜、名前消してぇぇぇぇぇぇ♪ ここのところの歌詞が、意味不明っすよね。 ここ にその謎の答えが書かれているような気がするんっすが、原曲は三洋電機のCMソングとして筒美京平が書き下ろしたものです。 その曲に 「アンパンマン」 の作者・やなせたかしが歌詞を書き槇みちるという歌手が歌いました。 え、マジかよ? 最初はどんな歌詞なのか、めっちゃ気になるところなんっすが、その続きは何となく、あまり読む気になれなかったので、他を当たってみましょう。 んーと、 これ 。 おお、チッチとサリー。 青春の甘酸っぱさが凝縮されていて、胸がキュンキュンしちゃいますが、

   『ふたりでドアをしめて、ふたりで名前消して』

  当時小1だった私は、もちろんこの歌詞の意味などわかりませんでしたが、
  どうやら大人には、何も言わずに別れなければならない時、というのがあるらしい‥‥とか、
  「名前消して」 って、何だろう? と、謎だらけのまま、元気よく、くちずさんでおりました。


 おお、何とも可愛らしい幼女エピソードでありますな。 「名前消して」の意味も、わからんの? アホちゃう! …と、何だか思わず、意地悪したくなっちゃいますが、で、最後まで読んでみたんっすが、「名前消して」の意味、わからへんやんけ! こうなったらもう、知恵袋に頼るしかないんっすが、んーと、 ほれ 。 当時は私はまだ子供だったので、この部分の意味がわからず、男と女が二人でするらしい 「ナマエケ」 という行為があるのかと思っていました。 うわぁ、何じゃその、淫靡そうな行為は。 けしからんっ! そう、思わずにはいられませんが、小学生の分際で 「ナマエケ」 をしちゃうとは、生意気な!! で、回答のほうを見てみると、表札の名前を消す、あるいは表札をはずす。 え、そんだけ? そんなショボい話なら、まだ 「ナマエケ」 でもして貰ったほうが、よっぽど夢があるような気がするんっすが、真実が判明して、僕の 「また逢う日まで」 に対する興味は急速に醒めてしまったので、次。 岩崎宏美 筒美京平さん追悼 「切なくて悲しい」 阿久悠さんとのトリオで名曲連発 。 僕としては、岩崎宏美がめっちゃオバサンっぽくなってしまったのが、何とも切なくて悲しいんっすが、いい歌、たくさんありましたよね。 歌唱力も群を抜いて抜群だったんっすが、今の若いヤングの間では、岩崎良美の (あまりパッとしない) 姉くらいにしか思われていないって、マジっすか? 個人的には、岩崎良美とか、 「タッチ」 の一発屋じゃん。 そんなイメージしかなかったりするんっすが、野球甲子園の応援のブラバンの定番になっているのは、強いっすよね。 こんなAA も、あったりするし。 で、岩崎宏美のほうで言うと、個人的には 「万華鏡」 が、好きっ♪ 最後のコーラスのところで、苦しそうなオッサンの呻き声が聞こえる! …というので、都市伝説化しちゃったんっすが、 (チャチャチャ、チャチャチャ) ショーウインドウ、万華鏡のよう〜♪ (チャチャチャ、チャチャチャ) 私を見る、私がいるのよ〜♪ この、チャチャチャが、たまらんっ! 石井明美の 「CHA-CHA-CHA」 と同じくらい、チャチャチャだと評価していいと思うんっすが、作詞:三浦徳子/作曲・編曲:馬飼野康二っすか。 馬飼野クンもいい曲を書くんっすよね。 で、筒美京平の提供曲は、先ほどの記事にあったかと思いますが、 「二重唱(デュエット)」 、 「ロマンス」 、「センチメンタル」 そして、「シンデレラ・ハネムーン」 。 コロッケの物まねの印象が強すぎて、イントロが始まっただけで、笑えてきてしまうんっすが、詞も曲もアレンジも、そして歌も。 完璧っすな。 で、後は 「家路」 とか。 これまた、詞も曲もアレンジも歌も、非の打ち所がなくて、ひぃぃぃぃぃ…。 「聖母たちのララバイ」 に続く山川啓介・木森敏之コンビの作品で、日本テレビ系 『火曜サスペンス劇場』 の主題歌となった。作品に統一感を持たせるため、後奏に前作と同じコード進行 (♭YM7→X-7→W-7→♭VM7) が用いられている。 へぇぇぇぇ。 コード進行とか、まったくよく分からなかったりするんっすが、木森敏之とかいう人も、なかなかいい曲、書くじゃん。 ググってみたら、中村雅俊の 「心の色」 とか。 何やこの、ベタな映像は? …というのはさておいて、これまた、名曲っすよね。 出だしは何だか陰気臭いんっすが、燃えるサンライズ♪ …のところから、次第にジワジワと燃えてくる感じが、たまらんっ! で、杉村尚美の 「サンセット・メモリー」 。 コレもっすか。 何やこの、ベタな映像 (アゲイン) は? …というのはさておいて、僕が個人的に好きな歌ばかりだったりして、木森敏之って、何者? …と思ってググったら、1980年代前半のヒットメーカー作曲家として知られたが、病に倒れ、急性肺炎により40歳で死去した…と書いてあって、うわぁぁぁぁぁ、勿体ねぇ…。

 で、木森敏之の倍は生きた筒美京平に話を戻しますが、とりあえず Wikipedia でも見て貰うとして、 「パーマン2号はウキャキャのキャ」 。 こんなのまで作っていたんっすな。 というか、 「サザエさん」 がこの人の作曲だというのを初めて知ったんっすが、何やこの、聞いたことのない2番の歌詞? いつもは3番のほうが使われていたんっすな。 世間では無かったことにされている2番ちゃん、ちょっと可哀想…。 で、エンディング (?) のほうも、1番が謎の歌詞で、2番になってお馴染みのフレーズが出て来たんっすが、世間では無かったことにされちゃった1番ちゃん、無念…。 で、後は野口五郎とか。 『筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス』 という2枚組のCDがあるみたいなんっすが、僕が知ってるのは 「きらめき」 「針葉樹」 「19:00の街」 くらいっすかぁ。 いいっすよね、「針葉樹」。 「しんようじゅ」 と入力して漢字に変換しようとしたら、間違えて 「し尿ズ」 となってしまったのがちょっとアレなんっすが、で、一方、郷ひろみは、「男の子女の子」 「裸のビーナス」 「花とみつばち」 「よろしく哀愁」 「誘われてフラメンコ」 など。 前半3つはちょっと微妙なんっすが、後ろの2つは名曲っすよね。 「よろ哀 (あい) 」 「誘 (さそ) フラ」 の愛称でファンからも愛されているんっすが、で、庄野真代の 「飛んでイスタンブール」 。 これも筒美京平だったんっすな。 庄野真代って、自分で詞と曲を書いてるものだと思い込んでいました。 自分でソングをライターしたものもあるんっすが、そうではないのが、めっちゃ売れちゃったんっすな。 飛んでイスタンブール、うらまないのがルール♪ この、“ブール” と “ルール” のところのメロディが天才的なんっすが、韻を踏みまくった詞のほうも秀逸っすよね。 ちあき哲也っすか。 ちあきなおみの旦那? もしくは、ちわきまゆみの愛人? ググってみたら、ちあき 哲也 (ちあき てつや、本名 : 小林 千明(こばやし ちあき)。 名前のほうが 「ちあき」 なんっすな。 ちなみに、ちあきなおみのデビュー当時のキャッチフレーズは、「苗字がなくて名前がふたつ」。 当時のフジテレビのプロデューサー千秋予四夫 (せんしゅう よしお) の姓を 「ちあき」 と読ませ、坂本龍馬の諱 (本名) の 「直柔」 からなおみとした…んだそうで、一方、ちわきまゆみは、本名 : 地脇真由美。 つまり、ちあき哲也、旦那でも愛人でも、なんでもないな…と。 で、ずらーっと並んだ筒美京平の作品リストを見て、「えっ?」 と思ってしまったのが、C-C-Bの 「Romanticが止まらない」「Lucky Chanceをもう一度」 。 え? あの変な曲も、そうなん? というか、C-C-Bって、自分らで歌を作ってるんと違ったんか!

 「Romanticが止まらない」 と言えば、2ちゃんねるだか、5ちゃんねるだかに、「米米CLUBの名曲だよね」 と書き込んで、「C-C-Bやろ!」 と、突っ込まれてたヤツがいましたな。 で、「え? C-C-Bって、米米CLUBと略とちゃうん?」 「最後の“B”は、どこから出て来たんだよw」 「Come-Come-clu-Bってかw」 みたいな。 ちなみに名古屋には “CBC” という放送局があるので、それとごっちゃになっちゃうんっすが、C-C-B(シーシービー)は、1980年代に活躍した日本のロックバンド。 結成当初の名称は Coconut Boys (ココナッツボーイズ) で、C-C-Bはその略称。 おお! たった今、その真実を知りました。 で、C-C-Bと言えば、何か、そこらへんに生えていて、笛みたいに音を鳴らす草みたいなヤツ。 あれ、「シーシービー」って言ってませんでした? そこらへんに生えてるのを見つけて、 「おー、シーシービーやん!」 とか言って、みんなで吹いたりしませんでしたか? いや、僕はぜんぜん吹けなかったし、というか、吹きかたすら知らなかったので、仲間に入れなくて、端っこのほうでジーッとその様子を窺いながら、「けっ! ガキみたいなことをしやがって…」 と、イジけていたものでありますが、ああ、過去の嫌な思い出が蘇ったぁぁぁ…。 うわぁぁぁぁぁ…。 そんなこんなで、僕はC-C-Bがあまり好きではなかったりしたんっすが、けっ! ドラムのやつ、変な眼鏡なんか、かけやがって…。 で、そこらへんに生えていて、笛みたいに音を鳴らす草みたいなヤツに関しては、衝撃の新事実が発覚しました。 んーと、これ 。 ヤハズエンドウ (又はカラスノエンドウ) 。 正式名称は別にどうでもいいんっすが、俗称としてシービービーというものもある。種を取り払った豆柄を笛として使用する遊びに由来する。 え? シーシービーじゃなくて、シービービー? 今の今まで、ずーっと間違えて覚えてしまっていたようで、うわぁぁぁぁぁ…。 あ、でも、 ここ を読むと、シーシービーなら知ってますが。 そんな発言もあるやん! シービービー、もしくはシビビー、シービー、あるいはピーピー豆というのが大半で、シーシービー派は、極めてマイノリティみたいなんっすが、で、 ここ にピーピー豆笛のつくり方と吹き方の動画がありました。 最初のうちは 「へぇ〜」 という感じで、楽しく見ていたんっすが、終盤、オッサンの顔がアップになった辺りから、次第に嫌悪感が強まって、「あの、昔の小学生ね、多分、全員出来ました。」 そう、断言されて、不快感マックス。 ウゼぇぇぇぇぇぇぇ! 消えろ、クソ爺ィ!! 現時点で高評価が175人、低評価が35人なんっすが、コイツ、昔の小学生の16.7%を敵に回しましたな。 夜道を歩いていて、BB弾で狙撃されることがないよう、言論には十分注意するように忠告しておいて、今日のところは、ズキューン!

 んなことで、今日は日野皓正っす。 僕が日本が大好きで、この国に生まれて、ヨカッタ。 そう、心の底から思っているんっすが、ジャズに関しては、例外。 日本人のやるジャズとか、ダサくて、聞く気がしねぇ…。 やっぱ、外人っしょ? しかも、黒人っしょ? 1950〜60年代の黒人ジャズ以外、聞く意味はないよね? そんな、極めて偏った、狭い了見の持ち主だったりするんっすが、ジャズを聞き始めた頃、外人のことはさっぱり分からんので、とりあえず日本人から聞いてみることにしました。 日本人のジャズマンで知ってる名前と言えば、渡辺貞夫、日野皓正、山下洋輔、坂田明、中村誠一、森山威男、国仲勝男、武田和命くらいだったんっすが、後半が妙にマニアックなのは、この世界に山下洋輔のエッセイから入っちゃったからなんっすけど。 それを読む限り、山下洋輔のジャズは滅茶苦茶っぽいのであまり聞く気にはなれず、かと言って、ナベサダ (笑) とか、ダサくね? 何となくそんな気がしたので、となると消去法で、ヒノテルやな…と。 今から思えば、フュージョンっぽい、お気楽なものを聞いて喜んでいたんっすが、あ、でも、その後、ちゃんと本格的なジャズも聞くようになったから! 外人にだって、手を出しちゃったんだから! “マンハッタン・ジャズ・クインテット” っていう、当時、流行の最先端を走っていたナウなバンドにハマったんだから! あまりにも黒歴史過ぎるので、該当部分は白い文字で書いておいたんっすが、マウスでドラッグすると、浮き上がってきたりして、うわぁぁぁぁぁぁ…。 これならまだ、日野皓正を聞いてると公言したほうがマシだったりするんっすが、とまあそんなことで、 『Aパート』 。 ずっと前に買ってハマった奴ではなく、つい最近、ネタ用に仕入れたものなんっすが、んーと、 これ 。 そのクオリティとレアリティで世界からウォントが絶えない1枚。 おお。 商品説明が何だか作詞家っぽいっすな。 筒美京平に曲を付けて貰って、庄野真代に歌わせたくなっちゃいますが、下のほうに詳細な情報もありますな。 日野皓正とレジー・ワークマンが邂逅したグループによる第2弾。ふたりの気鋭のミュージシャン、植松孝夫 (サックス) と今村裕司 (パーカッション) を迎えることにより、サウンドはより重厚でスリリングなものとなった。ときに深く沈み込むような、ときに天に突き抜けるようなアフロセントリックなモード・ジャズは、今聴いてなお鮮烈で生々しい。 (以下同文) アフロセントリック。 初めて聞く言葉でありますが、アフロ犬 + せんとくん? そういえば、今年の 「ゆるキャラグランプリ」 、ほとんど話題に上ることもなく、ひっそりと閉幕しておりましたな。 この企画も今年で最後みたいなんっすが、御当地ランキングの最終結果は こちら 。 たかたのゆめちゃん。 普通に可愛いと思うんっすが、こんなキャラ、今まで見たこともなくて、開催地忖度感が、半端ねぇ…。 で、泉佐野市、性懲りも無く組織票で2位に食い込んでいて、もう、ここまでくると、清々しさすら感じてしまいます。 ちなみに、 「一生犬鳴!イヌナキン」 ではなく、今年は 「ゆるナキン」 のほうなんっすな。 2年前に同じように組織票で問題になった四日市の こにゅうどうくん は、エントリーすらしてなくて、敵前逃亡しちゃった模様なんっすが、裏でこっそり舌を出していたりして、マジ、いけ好かない野郎っすよね。 生け簀に放り込みたくなっちゃうんっすが、で、えーと、何の話でしたっけ? アフロセントリックなモード・ジャズっすかぁ。 ちょっぴり南セントレア市っぽくもあるんっすが、afro-centric = 黒人中心。 おお、なるほど。 僕の趣向にぴったりフィットしていて、大いに期待が持たれるところなんっすが、ということで、演奏を聞いてみることにしましょうか。

 まずは、アルバム・タイトル曲の 「Aパート」 。 全部で3曲しか入ってないので、勝負が早いんっすが、その変わり、この1曲目は26分34秒ほどあったりします。 かなりの忍耐力が求められそうなんすが、冒頭からドラムス、ベース、ギター、ピアノが激しく絡み合い、そこにラッパとサックスが加わって、サウンドはより重厚でスリリングなものとなっております。 いや、これはマジっすな。 フュージョンっぽい、生ぬるい音楽とは一線を画した、音を楽しめない “勝負” の世界。 めっちゃ集団即興演奏(コレクティブ・インプロヴィゼーション)やんけ! で、そのうち、集団からサックスの人が抜け出して、ソロを取るパートになったりするんっすが、植松孝夫でありますか。 んーと、 この人 。 めっちゃタフで、パワフルで、フリーキーで、モンプチ。 そんなブローをカマしてくれるんっすが、いや、モンプチはフリスキーっすか。 フリーキーとは、ちょっと違うような気もするんっすが、とにかくまあ、ただひたすら喚き散らして、暴れまくって、で、短い集団即興演奏のパートを挟んで、ヒノテルくんにバトンタッチ。 こちらのほうも、半端なくアグレッシブだったりして、で、続いてギターの人が登場します。 ジャズ・ギターって、何かダサくて、都会派アーバンな僕の趣向にはそぐわないものが大半なんっすが、ここでの杉本喜代志は、凄ぇぇぇぇぇ! スギモトキヨシと書くと、大手ドラッグストアのパチモンみたいなんっすが、喜代志。 こういう漢字3文字の名前って、カッコいいっすよね。 ちょっぴり、大澤誉志幸のパチモンっぽい雰囲気もあるんっすが、杉本 喜代志 (すぎもと きよし、1942年2月3日 - ) は、日本のジャズ・ギタリスト。 (思いっきり略) 渡辺貞夫からのグループ加入の誘いを断ったことがある。この時、代わりに加入したのが増尾好秋。 (中略) 筒美京平のファーストコールミュージシャンであり、お気に入りのプレイヤーの一人であった。 ほぉ。 こんなところに筒美京平の名前が。 ファーストコール・ミュージシャン = レコーディングやライブで、プロデューサーやアーティストが 「一番最初に声を掛けたい、オファーしたい」 ミュージシャンのこと。 ほぉ。 もしかしたら、僕がよく知ってる歌謡曲にも入っていたりするのかも知れませんが、 「弘田三枝子が、妻子あるジャズギタリストSと禁断の恋に落ちたとき、(中略) そんな中、S氏の妻は弘田との直接の話し合いを望んだが、これを断られ、その10日後に果物ナイフを持って弘田のマンションに。S氏とともにタクシーで帰宅した弘田に襲い掛かり、その背中に3度にわたりナイフを突き立てたという。 ほぉ。 この妻子ある “ジャズギタリストS” というのが、スギモトキヨシくんらしいんっすが、演奏共々、なかなかぶっ飛んだ日常を送っておられたんっすな。 そんな背景を知ると、演奏のほうも一層、ドロドロに聞こえてきたりするんっすが、で、続いて、レジー・ワークマンが登場。 ワークマンでレジ打ちのバイトをしながら音楽に取り組んだ苦労人っぽい名前なんっすが、コルトレーンとも共演してましたよね。 ここでのピチカート・ソロは、スピリチュアルな精神性を感じさせるものだったりして、で、えーと、これだけ真面目に書いたのに、まだ13分48秒くらいっすか。 まだまだ先は長そうなので、ここで一度、改行を入れておいて。

 で、続いて市川秀男のエレピ・ソロが登場。 周囲はすっかり静まりかえり、ときに深く沈み込むような。 その 「とき」 というのが、 「今」 なんだと思うんっすが、そのうち、周囲も次第にヤル気を取り戻して、喜怒哀楽の激しい、木戸アイラックくん (47歳) みたいな。 で、そうこうしているうちに、日野元彦のドラムのソロが登場。 皓正の弟っすよね。 名前でググろうとしたら、予測変換に 「死因」 というのが出て来たので、何らかの不慮の事故で命を落としたっぽいんっすが、1999年5月13日肝不全のため死去。享年53。 いや、普通に病死っすな。 若死にではあるんっすが、で、そうこうしているうちに、演奏のほうは地味なコレクティブ・インプロヴィゼーションっぽいパートに突入しました。 ま、最初から最後まで全力疾走では、体がもたないので、こういう中だるみも必要悪と言えるのかも知れませんが、そうこうしているうちに、終盤の自棄モードに突入して、でもって、テーマらしきものに戻って、おしまい。 めっちゃ、アフロセントリックなモード、もしくはフリーすれすれジャズ。 そんなアレだったりして、凄ぇぇぇぇぇ! ということで、次。 「オード・トゥ・ワークマン」 。 タイトルの通り、レジー・ワークマンにオードされたものだったりするんっすが、オードって何でしたっけ? 黄土? 絵の具の中でも屈指の 「ばばちい色」 だったりするんっすが、ワークマンの作業着にありそうな色ではありますよね。 で、これ、前曲に比べると、かなりオーソドックスで、分かりやすい仕上がりだったりするんっすが、モーダルで新主流派っぽいテーマが演奏された後、妻子あるジャズギタリストSのソロが登場。 破綻寸前ギリギリのところを攻めている感じで、なかなかにスリリングであるな…と。 で、続いて黄土された当人であるところのワークマン、登場。 地味にギターと絡みつつ、スピリチュアルなピチカート・ソロで場をつないで、でもって、続いて皓正クンが登場。 晩年の、ちょっぴりフリーに走りそうになったリー・モーガンを彷彿させるものがあったりして、実力の程は、ホンモノであるな…と。 で、その後、テナーの人がソロを取って、でもって、テーマに戻って、おしまい。 15分17秒と、なかり長めのアレだったりするんっすが、それを微塵も感じさせない充実した仕上がりでありました。 んなことで、ラストっす。  「ビー・アンド・ノウ」 。 落ち着いた雰囲気の佳曲でありますな。 植松クンはバリトンを吹いてるっぽい? 低音の魅力が渋さ全開だったりして、で、皓正クンの伸びやかな吹きっぷりも耳に心地よく、何だかいい感じの余韻を残して、ヨイーン♪ とまあそんなこんなで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 初めて、日野皓正の “本気(マジ)” を、目の当たりにした気がします。 サックスの人も、妻子あるジャズギタリストSも、なかなか壮絶なプレイをしているし、日本人のジャズも捨てたモノではないな。 そんな気がしないでもない1枚でありました。


INDEX
BACK NEXT