ILLUSIONS (COLUMBIA)

ARTHUR BLYTHE (1980/4,5)

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【パーソネル】

ARTHUR BLYTHE (as)
BOB STEWART (tuba) <#1,3,5> JAMES BLOOD ULMER (g) <#1,3,5> ABDUL WADUD (cello) <#1,3,5>
JOHN HICKS (p) <#2,4,6> FRED HOPKINS (b) <#2,4,6> BOBBY BATTLE (ds) <#1,3,5> STEVE MCCALL (ds) <#2,4,6>

【収録曲】

(01-03) BUSH BABY / MISS NANCY / ILLUSIONS
(04-06) MY SON RA / CARESPIN' WITH MAMIE / AS OF YET
【解説】 ( 2021年08月01日更新 / 連載 1,452回 )

 ( 前回 までの粗筋 ) 興福寺の国宝館で阿修羅像を見た。 ということで、続いては 奈良国立博物館 。 特別展は 「聖徳太子と法隆寺」 という、面白そうな企画が終わって、 「奈良博三昧 −至高の仏教美術コレクション−」 という微妙そうなのが始まる前の、何もやってなくて、夏。 そんな状況だったんっすが、ま、 仏像館 だけは押さえておこうかと。 飛鳥時代から鎌倉時代にいたる日本の仏像を中心に、国宝、重要文化財を含む常時100体近くの仏像を展示する、国内の博物館では、もっとも充実した仏像の展示施設らしいっすからね。 ぶっちゃけ、仏像にはさほど興味がなかったんっすが、せっかく奈良に行くんだし。 …というので、 この本 を買って勉強してみたところ、掲載されている仏像200匹のうち、実に半分近くが 「なら仏像館」 の収蔵品だったりするんじゃね? …という気がするくらい、頻繁に名前が出てくるので、俄然、ヤル気が出た次第でありますが、それはそうと、インド象ならともかく、仏像をカウントするのに 「匹」 という単位を使うのは、あまりにも罰当たりな気がするんっすが、というか、インド象ですら、 「匹」 じゃなくて、 「頭 (とう) 」 っすよね。 「匹」と「頭 (とう) 」 の使い分けは、対象物の大小によるものと思うんっすが、「匹」と「頭」、どう使い分ける? おお、なるほど。 人間より大きいか、小さいか。 そこが基準になるワケでありますな。 仏像の場合、ジャイアント馬場より小さいのもあれば、小さいオッサンより大きい物もあるので、一律に 「匹」 か 「頭」 かを決めることは出来ないんっすが、物理的ではなく、存在自体が人間よりも遙かに “大きい” ので、 「頭」 でいいんじゃね? そういう考えもありますよね。 が、 十一面観音菩薩 みたいなヤツもいて、果たしてこれは、頭ひとつで 「1頭」 と数えるのか、頭の上の十一面のほうも考慮して 「12頭」 とするのがいいのか、もしくは、 「小さい頭が3個で、普通の頭1個に相当する」 みたいな換算が必要なのか。 定義が難しくて、何とも頭の痛い話でありますが、 「アタマ」 で考えるのが悪いのであって、普通に 「カラダ」 のほうでカウントすればいいじゃん。 そう言われれば、確かにそんな気がするので、掲載されている仏像200体。 そのように言い直したいと思いますが、とまあそんなことで、


< 奈良国立博物館・奈良公園 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 現地到着〜。 仏像館なのに、洋風の建物なんっすな。 明治27年(1894)に完成した、奈良で最初の本格的洋風建築なんだそうっす。 いいっすよね、洋館。 僕は羊羹があまり好きではないんっすが、洋館は好きっ♪ 伊予柑も好きっ♪ で、建物も前には何故か (写真・上から2枚目) のような “石棺” が。  いいっすよね、石棺。 僕は折檻があまり好きではないんっすが、石棺は好きっ♪ 摂関は…、うーん、まあまあ。 摂政と関白で、摂関。 特段、好きになる要素も、嫌いになる要素もないっすよね。 ちなみにこの石棺は “組合式家形石棺” なんだそうで。 んーと、 これ っすな。 神田義雄 (敬称略) が寄贈したものなんだそうっすが、よしおくん、どこからこんなもん パクってきたんっすかね? こんなもん勝手に拾ってきて、罰が当たったりしないんっすかね? よしお、およしよ! そう、カーチャンから注意されなかったんっすかね? パクってきたのはいいものの、夜な夜な、石棺に閉じ込められて折檻される悪夢に魘されて、処分に困って、奈良国立博物館に寄贈した。 そういうことなら、ちゃんと罰が当たっているので いいんっすが、ま、それはそうと、とりあえず入場。 入口のところに警備員のオッサンが立っていて、おでこに ピッとやるタイプの温度計、 でこピッと みたいなので、修学旅行のJCとかの体温を測っておりました。 楽しそうな仕事やんけ! ちょっと、うらやましいやんけ! 僕も卓球の伊藤美誠のおでこで、ピッっとやってみたいものでありますが、あ、でも、よくよく考えたら、ピッと式の温度計って、そんなに楽しくはないような気も?  商品の説明に、わきの下で挟んだり、口でくわえるなど、姿勢を保持する負担がいりません。 そんなことが書かれているんっすが、相手がJKや、JCや、JSや、幼女なら、わきの下に挟んでもらったり、口にくわえて貰ったりしたほうが、嬉しいかも? あ、でも、客の中にはオッサンもいるんっすよね? オッサンが わきの下に挟んだり、口にくわえたりした体温計。 そんな汚らわしいもの、95℃の熱湯で5分以上殺菌しないと、とても手で触る気がしなくて、効率が悪くてしかたないので、オッサンである時点で、入場はご遠慮して頂く方針で進めて行きたいと思うんっすが、それだと僕も入場出来なくなっちゃうかも知れないし、あ、でも僕は爽やかな好青年なので大丈夫かも知れないし、ま、実際、大丈夫だったし、で、中の展示物はアレでした。 めっちゃ仏像。 そうとしか言いようがありません。 ここの前に興福寺の国宝館に行って、で、ここの後に東大寺ミュージアムに行ったので、どこでどの仏像を見たのか、記憶がゴッチャになっているんっすが、 (写真・ちょうど真ん中)(下から2番目) の “金剛力士像” みたいな奴ら。 こいつらが、ここにいたのは間違いありません。 こいつらだけ、写真撮影可だったんっすよね。 んーと、 これ 。 高さ5メートルの巨大像を間近に見ることが出来て、マジか!? そう言いたくなるくらい、貴重な体験でありました。 顔は厳ついし、筋骨隆々だし、めっちゃ強そうに思えるんっすが、左の 吽形 のほうのヤツ。 こいつになら、勝てるかも? そんな気がしないでもありません。 秘策はあります。 チョキを出せば勝てるんじゃね? …と。 「あー、今出したの、右手じゃなくて左手だし!」 と強弁されると、ちょっと微妙な気もするんっすが、とりあえず、写真撮影を許してくれた金剛力士くんには感謝の意を述べるとして。

 で、他の仏像に関しては、あまり記憶になく、終盤は 「また仏像かぁ…。」 と、ちょっぴり飽きてしまったんっすが、で、 (写真・いちばん下) 。 奈良公園内には、鹿がたくさんいました。 最初のうちは 「おお、鹿! この勇姿、シカと目に焼き付けなければ!」 と、テンションが上がったんっすが、あまりにも普通にウロウロしているので、そのうち、どうでもよくなってしまいました。 終盤は 「また鹿かぁ…。」 と、完全に飽きてしまったんっすが、奈良公園の鹿と言えば、鹿せんべい。 この日は平日だったからなのか、雨降りだったからなのか、コロナ禍だからなのか、鹿せんべい屋をまったく見かけませんでしたな。 ああん、鹿タンとの触れ合いを満喫したかったのにぃ…。 いや、怖くて、あまりお近づきになりたくないんっすけどね、鹿。 めっちゃ角、生えてるヤツいるし。 あんなので突かれたら骨の1本や2本は折れちゃいそうなんっすが、奈良公園のシカによるけが人が過去最悪。 うわぁ、やっぱり…。 ちょっと古い記事なんっすが、200人以上が負傷って、なかなかの危険度っすよね? この記事を読む限り、鹿せんべいにさえ手を出さなければ、鹿に襲われるリスクを軽減出来そうなんっすが、歩いていただけ、近づいただけ等でも16件ほど襲われていて、恐ぇぇぇぇぇ…。 で、この注意喚起の看板は公園内のあちこちで見かけたんっすが、かむ、たたく、突く、突進。 やりたい放題やん…。 こんな危険動物を放置している当局にも問題があると思うんっすが、怪我が怖くて鹿せんべいをやらないようにすると、腹が減ってますます凶暴になっちゃいそうだし、いたちごっこっすよね。 何でもいいけど 「いたちごっこ」 って、何でイタチなんっすかね? ハクビシンごっこでも、タヌキごっこでも、アライグマごっこでも、何でもいいような気がするんっすが、イタチごっこ。 んなもん、ググればすぐに問題解決なんっすが、んーと、 これ 。 おお、 「鼬ごっこ」 という、あまり面白くなさそうな遊びが語源だったんっすな。 二人ひと組で、 「いたちごっこ、ねずみごっこ」 と言いながら相手の手の甲を順につねっていきます。 つねったら自分の手をその上に乗せ、相手がその手の甲をつねります。 二人の両手を全部使ってしまったら、次は一番下にある手を上に持っていき、また相手の手の甲をつねります。 んなもん、何がオモロイんや…。 ま、相手がJKや、JCや、JSや、幼女なら、めっちゃ心がときめきそうなんっすが、相手がオッサンだったら最悪っすよね。 オッサンと接触してしまった自分の手を、95℃の熱湯で5分以上殺菌したくなっちゃうレベル。 で、 「いたちごっこ」 もしくは 「ねずみごっこ」 という名前の由来は、 「イタチ」 も 「ネズミ」 も、素早く動いて噛み付くことがあります。 ここにあるようなんっすが、なるほど。 噛みつくだけなら、鹿せんべいを貰った鹿でもイケるんっすが、素早くという点では、イタチやネズミに軍配が上がりますよね。 ま、いずれにしろ、コロナ禍による観光客の減少で鹿せんべいを貰えなくなって、腹を空かせた鹿が凶暴化して、鹿せんべい屋を襲撃する事態が発生しているようっすが、鹿だから、仕方ないでは済まされない、シカトするワケにはいかないな…と。 ちなみに、この 「シカト」 という言葉は、鹿由来だったりしますよね。 んーと、 これ 。 奈良公園は紅葉(もみじ)の木が多いので、秋になれば、いい感じの 「花札の10月の札」 みたいな写真が撮れそうなんっすが、とまあそんなこんなで、1日目の予定は、おしまい。 あとは宿に行って、風呂に入って、うまいもんを食って、酒なんかも飲んで、 また風呂に入って、寝るだけなんっすが、その前に、


< 氷室神社・猿沢の池 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 氷室神社 というのを発見したので、軽く覗いてみることにしました。 製氷販売業・冷蔵冷凍業の守護神、ヒートポンプ・蓄熱技術の守護神。 ずいぶん専門業務に特化した神様でありますな。 かき氷屋にもご利益がありそうなんっすが、かき氷と言えば、桑名では こんなイベント が。 業務用かき氷機の国内シェアトップメーカー(株)中部コーポレーション。 そういえば小学生の頃、地元の町工場で作られたらしい家庭用のかき氷器を誰かから貰って、めっちゃ嬉しかった記憶があるんっすが、で、奈良も最近、かき氷に力を入れているっぽい? んーと、 これ 。 あ、やはり氷室神社の絡みでありましたか。 個人的には、無駄に凝っていたり、1,000円以上したり、量が無駄に多過ぎたりする最近の流行 (はやり) のかき氷より、シンプルなイチゴ、レモン、メロン+練乳+アイスクリームみたいなのが好きなんっすが、桑名だと 白酒屋 っすよね、やっぱ。 何年か前に経営者が変わって、 「しろざけや茂三郎」 になっちゃったのは、ちょっとアレなんっすが、 春日さん のすぐお隣なので、石取祭の時は大賑わい。 花火大会の時も大賑わい。 2年続けて花火も石取も中止になってしまって、何とも寂しくて静かな桑名の夏でありますが、で、氷室神社はというと、こじんまりとしていて、まあまあやな…と。 で、続いては 猿沢の池 。 今回、 お泊まりした宿 が、この池のすぐ近くだったので、朝方、軽く散策してみました。 ぶっちゃけ、ただの池っす。 で、鹿。 公園の敷地内だけでなく、こんな普通の市街地エリアにも普通に棲息しているんっすな。 猿沢の池と鹿。 あまりピンときませんよね。 猿沢の池なら、猿がウロウロしているほうが自然なんじゃね? もしくは、鹿沢の池に改名したほうがいいんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、そんなことで、次。


< 春日大社 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 春日大社 。 先述の通り、桑名にも大社ではない、ただの春日神社というのがあるんっすが、本家と比べると、「このカスが!」と罵倒されちゃうくらい地味でありまして、あ、でも、桑名の春日神社には千姫が祀ったとされる 徳川家康坐像 があるから! 桑名市指定の有形文化財だから! 奈良の春日大社とやらには、これに匹敵するようなお宝はあるんっすかね? あ、いっちょまえに 国宝殿 なんてのがあるんっすな。 (写真・いちばん下) のヤツっすな。 当日はこれが何なのか、よく分かってなかったし、時間にあまり余裕がなかったのでスルーして、で、本殿がある有料エリアにも入らずに、軽く流してしまったんっすが、もうちょっと本腰を入れて、じっくり見たほうがよかったかも? そんな気がしないでもないんっすが、んなことで、また次回☆

 んなことで、今日はアーサー・ブライスっす。 ジョージ・ブレイスと、ゴッチャになってしまうんっすが、んーと、 この人 。 あ、数年前にお亡くなりになられたんっすな。 個人的に、寡聞にしてよく知らんキャラだったりするんっすが、とくに、ディジョネットの 「スペシャル・エディション」 での活躍はECMの諸作を通じて世界的に知られるところとなった。また、ザ・リーダーズ、ワールド・サキソフォン・カルテットでの演奏も記憶に留められている。 おお、なるほど。 この辺りの年代のジャズが好きな人には、わりと知られている存在っぽい? このコーナーでも一度だけ取り上げたことがあるんっすが、んーと、 これ 。 おお、飛騨古川っすか。 いいところっすよね。 で、秋の高山祭りの写真もありますな。 ユネスコの無形文化遺産に登録。 おお、スゲぇじゃん。 ま、桑名の石取祭りも登録されているんっすけどね。(←余裕。) そういえば奈良って、有名な祭りとか、あるんっすかね? あまり聞いたことがない気がするんっすが、 なら奈良まつり 。 こんなパチモンくさいのしか、ないん? 石取祭り、多度祭り、金魚祭り、七福神祭りの 「4大フェスティバル」 がある桑名、勝ったな! …と、優越感に浸ってしまいますが、で、アーサー・ブライス。 この 『レトロフレクション』 というアルバムは、なかなかの力作・傑作・快作でありました。 当時、ポータブル・プレイヤーとか、韓国とか中国とか台湾の安物で十分じゃん。 …と思っていた僕が、何とはなしにソニーのウォークマンを買って、で、初めて聞いたのがこのアルバムだったんっすが、あまりの音のよさに愕然。 ライブ盤だったというのもあるんっすが、大げさに言うと、まるで目の前で吹いているような。 というか、頭の後ろの “この辺り” から音が聞こえてくるような。 立体感が半端ねぇ! そんな経験があるので、このアサ・ブラくんには好感を持っていたりするんっすが、今回、ネタ用に新たに 『イリュージョン』 というアルバムを仕入れてみました。 引田天功っぽいっすな。 ラジオの法律相談なんかで 「遺留分」 という単語が出てくると、遺留分って、引田天功かよ! …と、突っ込みを入れてしまうんっすが、ファンクという言葉は様式をさすものではなくあくまでもフィーリングである − とライナーにもあるように、A.ブライス81年の本作はブラック・ミュージックとしてのジャズという概念を抽象的に飛び越したフィーリングを持っている。 すなわちファンク。 再評価大歓迎。 -- 内容 ( 「CDジャーナル」 データベースより)  そういったアレであるようっす。 2つのセッションから成っていて、ひとつめはチューバとギターとチェロが入った超変則編成。 もうひとつは、ピアノ、ベース。ドラムスというオーソドックスなカルテット。 で、ギターはジェームス・ブラッド・ウルマーっすか。 もう、名前だけでカッコいいっすよね。 うるま市が好きそう。 僕がこの人に抱いているイメージは、その一点なんっすが、で、ピアノはジョン・ヒックス。 引っ越しが好きそう。 僕がこの人に持っている印象はそれだけなんっすが、 『レトロフレクション』 のほうにも入ってましたよね。 ジョン・ヒックスの貢献度も甚大。 そう、当時のサバくんも書いているし、これは、期待していいんじゃね? …と。 んなことで、では演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 All compositions by Arthur Blythe なんっすが、まずは 「ブッシュ・ベイビー」 。 「藪の赤ん坊」 っすか。 昔、阪神タイガースに藪というピッチャーがいたんっすが、子供の頃は 「藪の赤ん坊」 だったんだろうな…と。 んーと、 藪恵壹 。 うわー、めっちゃ太ってるやん。 ベイビーだった頃の面影がまったくないんっすが、で、 “恵壹” 。 この漢字がめっちゃ違和感あるんっすよね。 普通に本名の “恵一” でエエのに。 何故こんな 「壺」 みたいな漢字にしたんっすかね? 八壺豆 が好きだったからとか? 三重県出身だから、あり得ない話ではないんっすが、三重県桑名市多度町と 三重県南牟婁郡御浜町では、同じ県とは思えないくらい離れていたりするんっすけど。 多度からなら岐阜との県境まで車で10分くらい、桑名から愛知との県境まで、同じく車で10分くらい。 が、御浜町までは、高速を使っても2時間半ちょっと。 御浜町の住民がお気楽に多度まで八壺豆を買いに来るとは思えないんっすが、で、 「ブッシュ・ベイビー」 。 これはアレです。 めっちゃファンク。 ファンキーではなくて、ブラック・ファンク。 冒頭からウルマーの存在感が半端なかったりするんっすが、バックで地味にビートを刻むチューバも独特のムードを醸し出しております。 テーマそのものはシンプルなんっすが、それなりに藪の赤ん坊感があって、でもって、そこからアルトのソロへと突入。 これはアレっす。 オーネット・コールマンのプライム・タイム。 あの世界観だと思っていれば間違いはなかろうかと。 ちなみに 『ヴァージン・ビューティ』 が1988年で、こっちが 1980年。 アサ・ブラくんのほうが8年も先んじているんっすな。 やるやん! で、その後、ウルマーのぶっ飛んだソロが出て来て、でもって、テーマに戻って、おしまい。 ジャズ評論の世界では超保守派の論客として知られるサバくん、実はこういうのも嫌いではなかったりして、いや、よかったな…と。

 で、次。 「ミス・ナンシー」 。 ナンシー・ウィルソン、ナンシー関、夏色のナンシー。 その、いずれかのナンシーに捧げられたナンバーなっしー。 そう、ふなっしーが言ってましたが、キャッチーなメロディを持った、なかなかの佳曲。 カッコいいっすな。 オーソドックスなカルテット編成なので、前曲よりも分かりやすいかと思いますが、ブライスのソロは、ちょっぴりフリーで、結構ハード。 が、躍動感があるので、勢いで何とか乗り切れるのではなかろうかと。 続くジョン・ヒックスのピアノ・ソロも壮絶だし、で、最後は as→ds→p→ds の掛け合いで大いに盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 いやあ、熱かったっす。 で、次。 アルバム・タイトル曲の 「イリュージョン」 。 チューバ、ギター、チェロ入りのほうのセッションっす。 かなり斬新っす。 前衛っす。 フリーっす。 イッちゃってます。 小難しいテーマの後、ウルマーのソロが出て来ます。 強烈っす。 続くブライスのソロも意味不明っす。 やっぱり自分は保守派だったな。 そう、再認識させられたところで、次。 「マイ・サン・ラ」 。 これはアレっすな。 サン・ラ 。 このオッサンに捧げられた何かでありますな。 彼は生涯にわたって 「ラ以外の名前は全て自分とは関係ない」 と語り、自身の本来の身元を否定し続けた。 おお、スゲぇ。 カッコええ。 ぜんぜん意味わからん…。 サン・ラ・オーケストラ…ならぬ、 “アーケストラ” というのを率いて長らく活躍したオッサンなんっすが、個人的にはサン・ラよりも全裸のほうが、フリチンかな? …と。 いや、必ずしも全裸 = フリチンではなく、下半身のみ露出している場合も想定されるんっすが、フリチンが必ずしも全裸であるとは言えないものの、全裸であれば、フリチンなのは確かなので、ま、いっかぁ…と。 サン・ラを語ると、どうしても哲学的で宇宙的になってしまうんっすが、で、この 「マイ・サン・ラ」 。 これはアレっす。 コルトレーンを彷彿させるスピリチュアルな作風に仕上がっております。 オーソドックスなカルテットのほうのセッションなんっすが、冒頭のサックスと、マッコイっぽいピアノとの絡みはトレーンの 「クレッセント」 あたりを彷彿させますな。 その後、リズムが入ってきて、ちょっぴり空気が変わるんっすが、何と言うか、太陽神っぽいというか。 こういうところが 「僕のサン・ラ」 なんでしょうが、あ、でもサン・ラって、 「ラ」 以外の名前は全て自分とは関係ないんっすよね。 「サン」 (太陽) の要素、ないじゃん。 駄目じゃん。 「ラ」 だけではラー油の神様くらいにしかなれそうにないので、この考えはちょっと改めて欲しいところなんっすが、で、続いてジョン・ヒックスのピアノ・ソロが登場。 何ていうか、知的でクールなマッコイって感じ? いや、マッコイに知性が感じられないとか、そういうことを言いたいのではなくて、マッコイは真鯉よりは賢い。 そう、断言してもいいんっすが、所詮は淡水魚っすからね、鯉。 いっちょまえに、おなかが減るみたいなんっすけどね。 ということで、今週も スイミー 。 「鯉もおなかが減るのかな?」 「いや、さすがに腹は減るやろ。 馬鹿にすんな!」 お姉ちゃんは、このクソガキを叱りつけて当然だと思うんっすが、とか言ってるうちに、スピリチュアルなテーマに戻って、おしまい。 保守派の僕にも受け入れられる作風で、よかったな…と。

 で、次。 「カレスピン・ウィズ・マミエ」 。 チューバ、ギター、チェロ入りのほうのセッションなので、ちょっと不安なんっすが、曲名も意味不明だし。 翻訳ソフトに掛けても 「CARESPIN' WITH メイミー」 としか出てこなかったんっすが、あ、真美恵じゃなくて、メイミーっすか。 メイミー、メイミー、なんちゃらメイミー、よく食べる、メイミー♪ 何か今ひとつっすな。 スイミーだからこそ、鯉がスイスイとスイムする姿が頭に浮かぶのであって、改めてネーミングの巧みさに気付かされた次第でありますが、で、曲のほうはアレっす。 エキゾチックで、ちょっぴり民族音楽っぽい感じ。 弓弾きのチェロが、それっぽい雰囲気を醸し出しております。 テーマに続いてアルト、ギター、そしてチェロの順で各自のソロがフィーチャーされるんっすが、この最後のパートは思ったほど苦痛ではなくて、根性と気合いさえあれば、何とか乗り越えられるかも知れない気がしないでもなくて、で、テーマに戻って、最後は集団即興演奏 (コレクティブ・インプロヴィゼーション) っぽくなって、フェードアウトして、おしまい。 で、ラスト。 「アス・オブ・イェット」 。 ストレート・アヘッドな作風で、アーサー・ブライスのアルト・ソロを存分に堪能することが出来て、ジョン・ヒックスのピアノも十分に楽しめて、でもって、テーマに戻って、今日のところは、おしまい。

【総合評価】 A.ブライス81年の本作はブラック・ミュージックとしてのジャズという概念を抽象的に飛び越したフィーリングを持っている。 すなわちファンク。 そういったアレでありました。 特に冒頭の1曲がモロにファンクだったんっすが、ピアノ入りカルテットのほうは、普通にアバンギャルドなジャズと言っていい出来だったし、ま、 保守派の僕にはちょっと辛い局面もいくつか散見されたんっすが、三件くらいなので何とか耐えられたし、万人に広くお薦め…は、しませんが、三人くらいには薦めてもイイかな? そんな気がしないでもない1枚でありました。


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