BLACK INSIDE (ENJA)

ANTONIO FARAO (1998/4/23,24)

BLACK INSIDE ←click!!


【パーソネル】

ANTONIO FARAO (p) IRA COLEMAN (b) JEFF "TAIN" WATTS (ds)
【収録曲】

(01-03) MEMORIES / BLACK INSIDE / LATIN DANCE
(04-07) JUST IN TIME / BASEL / SWEET / BROTHER KENNY
(08-10) CHAOTIC ROMANCE / DUMB SHOW / MY ONE AND ONLY LOVE
【解説】 ( 2019年11月17日更新 / 連載 1,371回 )

 ( 前回 までの粗筋) ハウステンボスで観劇して、感激した。 花火も堪能した。 で、今回の行程表は こちら 。 花火の終了が21時なので、後はホテルに戻って寝るだけやな。 …と、思っていたんっすが、ちょっとだけ パレス ハウステンボス を覗いてみようかな? …と。 ここも何か、イルミネーションをやってたような気がするんっすよね。 前日の宿泊場所のホテルアムステルダムからは遠いのでパスしちゃったんっすが、この日の宿泊場所のウォーターマークホテル長崎からは近いし。 んなことで、行ってみました。


< ハウステンボス (2日目・夜) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 (写真・いちばん上) は、その辺で適当に撮ったもの。 で、その下の2枚がパレスハウステンボス ( ← 以下 “パレハウテン” と省略) でやっていたプロジェクションマッピング。 最近の流行 (はや) りで、どこでも頻繁に見掛けるようになったんっすが、個人的には、ちょっと微妙かな? …と。 マッピングよりも、まいっちんぐマチコ先生のほうが、よくね? そんな気もするんっすが、 画業45周年だよマンガ道 。 ミュージカル化って、マジっすか? もしかして、ハウステンボスで上演したりしませんか? …と思ったら、去年で終わってるやん。 猫ひろしの特別授業、めっちゃ見たかったのにぃ…。 『初恋スケッチ』 って、いつの間にか、こんな映画もやっていたみたいなんっすが、評価が2.92点って、微妙…。 でもまあ、 『クハナ!』 よりは高いので、それなりに健闘したと評価していいのではないかと。 『すみっコぐらし』 には、ちょっと負けちゃってますけどね。 ちなみに僕が 「すみっコ」 を知ったのは、今から1年ほど前。 ここ 参照なんっすが、前半の後ろのほうに登場します。 以来、すっかりハマってしまって、今ではキティちゃんとか、見向きもしなくなっちゃったんっすが、ま、来年の卓上カレンダーはキティちゃんなんっすけどね。 今回、ワケあって生命保険の名義変更の手続きをしたんっすが、その際、 フコク生命 のおっさんが持って来てくれました。 フコク生命って、富国強兵に生命 (いのち) を懸けている地味な会社というイメージだったんっすが、ハローキティがイメージキャラなんっすな。 ちょっと意外。 でもまあ、漢字で “覇牢奇帝(はろうきてい)” と書いたら、それなりに富国強兵っぽいし、ま、いっかぁ…と。 ちなみに、貰ったのは これ なんっすが、おお、可愛い♪ キティはキティで捨てがたいものがあるんっすが、あー、すみっコの これ も、めっちゃ可愛いやんけ! あー、たまらん。 即刻、購入。 ポチッ! ヨシっ! これを会社の机の上に置いておけば、辛いことがあっても耐えられそうなんっすが、で、えーと、マッピングよりも、まいっちんぐマチコ先生のほうがいい。 そういうところまで話が進んでいたのではなかろうかと。

 何をやっているのか、今ひとつよく分からん。 それが、僕がプロジェクションマッピングは微妙だとする、大きな要因なんっすが、今回の出し物は、何となく分かりました。 終わった後、近くにいた幼女が 「白雪姫のやつだったね♪」 とか言ってたんっすが、おお、なるほど。 白雪姫のやつだったんすな! 言われてみれば確かに (写真・ちょうど真ん中) は、白雪姫がリンゴを手に持ってるシーンっすよね。 が、もしその幼女が 「マチコ先生のやつだったね♪」 と発言していれば、まいっちんぐのシーンに見えたかもしれないし、試しに並べてみたら、 ほれ 。 おお、さほど違和感はありませんな。 プロジェクションマッピングのほうはパンツが見えてないじゃん! そう、不満に思われるかも知れませんが、そこはまあ、幼女向けということで。 で、この後、本日最後の “光の宮殿 ジュエルイルミネーションショー” が行われる。 そんなアナウンスがあったので、せっかくなので、それも覗いてみることにしました。 クラシック音楽にシンクロして、灯りが点いたり消えたりする。 そういったアレでありまして、ま、しょうもないショーとまではいいませんが、少々、盛り上がりにかけるショーであるな…と。 ま、綺麗は綺麗だったんっすけどね。 とまあそんなことで、ハウステンボスは以上っす。

 で、翌日。 行程表では、ハウステンボス西門というところまで歩くということになっておりますが、ウォーターマークホテル長崎から駅まで2キロくらいあったりして、そこまで歩くというのはちょっと辛いな…と。 宿泊者専用のシャトルバスみたいなのはあるんっすが、何時から運行しているのかよく分からなくて、で、調べてみたら西門というところから路線バスが出ているっぽいので、そこまで歩くことにするかぁ…と。 ちなみに、この日は福岡県にある ここ に立ち寄って、昼飯を食って、温泉に浸かってから帰るというプランだったりするんっすが、去年、長崎に行った時も、最終日はここで昼飯を食って、温泉に浸かってから帰ったんっすよね。 結果、飯も風呂も素晴らしく、満足度が高かったので、リピートすることにしました。 二日市という四日市の半分、八日市の4分の1くらいの駅から1キロくらい。 歩いて歩けないことはないんっすが、出来ることならあまり歩きたくはないな。 そんな微妙な距離だったりするんっすが、高速バスの筑紫野というバス停からなら徒歩3分。 調べてみたら、佐世保発、博多行きのバスがここに止まるみたいで、なんて好都合な! んなことで、今回はバスを利用することにしたんっすが、宿泊者専用のシャトルバスみたいなのは朝の8時くらいから普通に走ってるっぽいので、とりあえず駅に向かって、佐世保までは電車で行くことにして。 ろくに時刻表も調べずに行ったんっすが、駅に到着して愕然。 もしかして佐世保行きの電車、1時間くらい待ち? いやあ、大村線を舐めてましたなぁ…。 大村とか、大村知事とか、大村崑のイメージしかなくて、トリエンナーレ、もしくはオロナミンCだよね。 そんな印象しかなかったんっすが、大村線、くそローカルやんけ! 幸い、臨時のハウステンボス号が、まもなくやって来そうなので、隣の早岐駅までは行けそうなんっすが、1駅だけ特急に乗るというのも、勿体ない話でありますなぁ…。 とりあえず乗車券だけ買って、ホームの自販機で自由席の特急券を買おうと思ったんっすが、改札を通る際、駅員に呼び止められてしまいました。

 「佐世保までっすか?」 「はぁ…。」 「佐世保行きは1時間くらい先になりまっせ。」 「と…、とりえあず早岐まで特急で行こうかと…。」 「そこ (窓口) で、特急券を買って下さい。」 「はぁ…。」 どうやらホームに自由席特急券の自販機などというハイテクな設備は設置されてない模様。 ま、自動改札がなくて、駅員が立ってる時点で察するべきだったのかも知れませんが、大村線、くそローカルやんけ…。 んなことで、窓口で特急券を買って、ハウステンボス号に乗り込んで、5分ほどで早岐駅に到着〜。 で、佐世保行きの電車はというと…、え? 40分くらい待ち? 要はハウステンボス駅の駅員が、 「佐世保行きは1時間くらい先になりまっせ。」 と行ってたヤツに乗るしかないみたいなんっすが、わざわざ追加料金を払って特急に乗った意味がねぇ…。 博多方面から来る特急 「みどり」 なら、まもなくやって来そうだったりするんっすが、またしても10分くらい乗るだけなのに追加料金を取られて、なんとも勿体ない話でありますなぁ…。 が、背に腹はかえられないので、窓口に行って、お姉さんに 「あのぉ…、佐世保行きって、普通だとかなり待ちますよね?」 特急料金が勿体ないのは重々承知なんだけど、かなり待つのは嫌なので、特急に乗りたい。 つまるところ、佐世保までの特急券、欲ちい♪ そんな思いを言外に込めて聞いてみたところ、 「乗車券だけで特急に乗れますよぉ。」 …という意外な返事が。 え、え? そうなん? 「え…、そうなんっすか?」 お姉さん、ニッコリ。 後から調べてみたら、特例区間と言うのがあるみたいっすな。 何か、めっちゃ得した気分♪ これで無事、佐世保まで行くことが出来て、で、後は特急バスに乗りさえすれば、大丸別荘はもうすぐそこ。 さば君の行程管理は完璧だったな! …と。 よくよく考えたら、最初に乗ったハウステンボス号で、そのまま二日市駅まで行けばよかったんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、最初は2日目、佐世保に泊まるつもりだったので、高速バスの利用も意味があったんっすが、宿泊先をハウステンボス内に変更した時点で、考え直すべきでありましたな。 あ、でも、佐世保というのがどんな街なのか、ちょっと見てみたいような気もするし、別に後悔なんかしていないし、悔しくなんかないし! 2本の特急を乗り継いだお陰で、高速バスの出発まで、かなり余裕が生まれたし、んなことで、ちょっぴり駅の周辺を散策してみることにしました。


< 佐世保駅前散策 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 佐世保駅は佐世保駅の終着駅であると同事に、JRでは最も西にある駅だったりします。 それだけで何か、旅情に浸れますよね。 「思えば遠くへ来たもんだ」 みたいな。 武田鉄矢、ウゼぇぇぇぇ…。 もっとも、佐世保駅よりもっと西のほうに松浦鉄道というのが走っていたりするので、言うほど最西端感はなかったりするんっすが、所詮は “JRでは最も西” っすからね。 大して意味はありません。 が、駅の改札を出て、すぐ、海っ!…というロケーションが素晴らしい♪ 自衛艦っぽいのも係留されているし、マドロスが足を乗っけてポーズを決める例のヤツも、至る所にあるし、 「波止場に佇み」 っぽいっすなぁ。 いやあ、わざわざここまで足を延ばしただけの甲斐がありました。 佐世保駅、最高や! …と、自分の心を納得させて、で、高速バスに乗車。 (中略) で、筑紫野に到着〜。 バスから降りればもう、大丸別荘はすぐ目の前。 …なのかと期待したら、思ったよりもちょっと距離があったんっすが、しかも車がビュンビュン走っている国道を横断しなければならなくて、近くに横断歩道も見当たらなくて、決死の覚悟が必要。 えーい、渡ったれぇぇぇ〜! 何とか無事、撥ねられずに済んだんっすが、で、去年の状況は ここ 参照。 前半の最後のほうっすな。 駅からは 1.2キロ、所要時間にして15分くらいっすかね? あ、そんなに遠かったんっすな。 これはもう、駅から歩くというのは無謀としか言いようがなくて、バスにして大正解。 やはり、さば君の行程管理は完璧だったな! …と。 で、 この写真 。 あ、このトンネルみたいなところをくぐって、道路のこっち側に来ればよかったんか! …と、後から気付いたんっすが、既に手遅れ。 ま、無事、撥ねられずに済んだので、結果オーライかな? …と。 んなことで、大丸別荘に到着〜。

 この旅館の日帰りプランは大きく分けて2つあって、高いほうと、安いほう。 予算とか、好みとかによって選択することが出来るんっすが、高いほうだと宿泊用の部屋を使うことが出来て、浴衣とバスタオルも借りられる…と。 安いほうだとそれが付いてこなくて、お部屋が食事専用のものになっちゃう…と。 トイレとか、テレビとか、そういうものが何にもなくて、窓からの景色も今ひとつなんっすが、特に不自由は感じられないので、安いほうで十分やな…と。 バスタオルは無いんっすが、普通のタオルは借りられるし。 が、去年、安いほうのプランにしたらバスタオルを借りられなくて不便だったので、今年は高いほうにしちゃおうかな? …と。 が、土日のお一人様だと、高いほうの設定は無いっぽいので、今年も安いほうになっちゃいました。 で、料理に関しても、いくつかのランクがあって、予算とか、好みとかによって選択することが出来るようになっております。 高いプランだと、メイン料理が肉系と魚系の両方になったり、フグ刺しなんかが付いて来たり。 個人的に、肉系さえあれば魚系とか、特にいらんので、最も基本の山やな。 そんな気がする “基山” という料理をチョイスしてみました。

部屋からの眺め♪ 十月 お献立 基山♪

 お部屋からの眺めはこんな感じ。 去年と大差無いっすな。 で、お品書きは、これ (↑) 参照。 カメラの設定を間違えちゃったのか、この先、写真がどれもブレブレで、申し訳ないんっすが、お部屋に案内された後、係の仲居さんがお茶を入れてくれたりする、そんなサービスもあったりします。 それ待ちで、ちょっぴり緊張しながら座椅子に座って待機していたところ、玄関のほうから 「きゃー」 という声と共に、ガチャガチャという物音が。 あー、ケッ躓きましたな。 コケましたな。 茶、こぼしましたな。 しばらく、何かを片付けるような気配があって、静かになって、しばらくして、 「失礼いたしました…」 と言いつつ、仲居さん登場。 もし、これが若い娘 (コ) だったりしたら、 「もぉ、ドジっ娘なんだからぁ!」 「てへっ♪」 という展開になるところなんっすが、かなりベテラン風のお姐さんだったりして、ま、まぁ…。 で、食事の中身に関しては、今日の後半はあまり書くことがないに違いないので、そっちのほうに回すとして、で、食後は温泉に浸かったり、お庭を散策したり。


< 二日市温泉@大丸別荘 > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 去年は周囲のマンションが映り込まないように苦心したんっすが、敢えてそれを取り込むというのも手であるな…と。 (写真・下から2番目) の 「青い実」 のヤツも、池にマンションが映り込んでいるのが、イケてるやん。 そんな気がしないでもなくて。とまあそんなこんなで、昼飯&温泉&お庭の散策は、終了〜。 帰りは駅まで歩いてみたんっすが、ぜんぜん苦になるような距離ではなくて、あ、でも、佐世保にも行ってみたかったし! マドロスが足を乗っけてポーズを決めるヤツも、見られたし! 高速バスの利用は大正解だったし、別に後悔なんかしていないし、悔しくなんかないし! んなことで、今回の旅は、おしまい。

 んなことで、今日はアントニオ・ファラオっす。 謎のピアニスト・シリーズ、まだまだ手持ちのネタはあるんっすが、聞いてみて面白そうなのは、そろそろ枯渇しちゃいそうだし、飽きてきちゃったし、さすがにそろそろ潮時かな…と。 が、今週はまだ大丈夫っす。 アントニオ・ファラオ。 名前が無駄にカッコいいっすよね。 アントニオでも猪木だと、別に全然、そんなことは無いんっすが、ファラオ。 皇帝やんけ! 僕の今回の旅の行程は完璧だったんっすが、さすがに皇帝には負けちゃう気がするし、 “ローマの皇帝” のニックネームを持つアントニオ・ファラオは、うんぬん。 日本語ライナーで田中英俊クンがそのように書いておりますが、やっぱ皇帝なんっすな。 ファラオっすもんね。 皇帝を肯定するしかないんっすが、1965年、イタリア・ローマ生まれの男性ジャズ・ピアニスト。 ミラノの音楽学校に通い、10代からジャズ・クラブで演奏していた。数々のフェスティヴァルにも出演、87年以降は多くの賞を受賞した。 99年にENJA Recordsと契約、アルバム 『Black Inside』 でデビューを果たす。 地中海周辺特有の音楽要素を取り入れた個性的なジャズで、広く知られるようになる。 そういったキャラである模様っす。 で、今回、そのデビュー作の 『ブラック・インサイド』 というアルバムを取り上げてみたいと思うんっすが、この後、昼飯の話も書かなければならないし、早速、演奏のほうを聞いてみることにして。

 んなことで、1曲目。 「メモリーズ」 。 ファラオのソロ・ピアノで綴られる叙情的な楽曲で、これから何かが始まるという期待を煽るイントロダクションだな…と。 これから何が始まるんっすかね? 「おーい!はに丸」 ? はに丸は王子なので、皇帝と何らかのつながりがある可能性は否定出来ないんっすが、で、これはアレっす。 ソロ・ピアノによる物静かなバラード。 これから何かが始まるという期待を煽るイントロダクションという感じではなくて、冒頭から地味なのを持って来たな…と。 すぐに終わっちゃうので、特に実害はないんっすが、ま、次からが本番やな…と。 で、続いてはアルバム・タイトル曲の 「ブラック・インサイド」 。 ファラオくんのオリジナルなんっすが、コルトレーンの 「至上の愛」 のような重厚感溢れるイントロからテーマを経て、アップ・テンポのソロ・パートへと突入する。 マイナー・ブルースを軽快に飛ばすファラオとスウィングの鬼と化すリズムの2人、それに呼応するかのようにテクニカルに押し切るファラオ。 そう、田中クンが書いているようなアレだったりします。 書くのを忘れておりましたが、スウィングの鬼と化すリズムの2人はアイラ・コールマン(b)と、ジェフ “テイン” ワッツ (ds) 。 「わっつ」 と入力したら 「輪厚」 と漢字に変換されそうになったんすが、 輪厚パーキングエリア 。 おお、ホンマや、 「わっつ」 や! さすがは北海道という感じなんっすが、よく考えたら、輪厚 → わあつ → わっつ。 割と普通っすよね。 「わっつ」 という読みに、それっぽい漢字を当てはめたパターンかも知れませんが、で、イントロは言うほど 「至上の愛」 ではなく、でもまあ、それなりにスピリチュアルだったりして、で、演奏のほうはというと、ソロが進むに連れてテンポが速くなって、次第に熱を帯びていく感じ。 で、リズムの2人は、言うほどスウィングの鬼だったりして、ちょっぴりマッコイっぽいファラオのプレイを強力にプッシュします。 次からが本番というか、いきなり、ここでピークが来ちゃった感じ。 決して分かりやスタイルではないんっすが、ローマの皇帝、凄ぇぇぇぇ!

 で、次。 ファラオのオリジナルで、 「ラテン・ダンス」 。 ラテン・ビートというよりアイラ・コールマンによるベースのヴァンプと、スポンティニアスなワッツのドラムの上を、流れるようにメロディを奏でるファラオのピアノが充満するトラックだ。 そういうアレだったりるすんっすが、いいっすよね、スポンティニアス。 ちょっぴり 「スッポン亭に明日はあるか?」 みたいな。 個人的にスッポンはあまり好きではないので、スッポン亭に明日がなくても、一向に構わないんっすが、昨日の時点で店を畳んで貰って、ぜんぜん構いません。 で、確かにこれ、ラテン・ビートというより…っすな。 ま、途中からちょっぴりラテンっぽくはなるんっすが、アンニュイなボサノヴァみたいなのを期待していると、ちょっと違うかと。 が、ハービーを更に先鋭的にしたようなファラオのプレイはとっても皇帝で、この路線を肯定するに、ヤブサカではないな…と。 で、次。 「ジャスト・イン・タイム」 。 歌物ナンバーで、ちょっと一息。 ま、ちっとも息がつけないくらい、すっかり自分の世界に変えられちゃっているんっすが、ここで一息いれて、大丸別荘のお食事でも。

八寸♪ お造り&お椀♪

 写真がブレブレで申し訳ないんっすが、ここの飯は “八寸” が無駄なくらい豪華。 やす? はっすん? ハッスンゴレライ? 「八寸」 (はっすん) とは、8寸 (約24p) 四方の杉で作った低いふちのある盆のことをいい、 この盆に盛りつけた料理も八寸と呼んでいます。 ほぉ、なるほど。 約24p四方の杉で作った低いふちのある盆、ないやん! …なんっすが、通常は中盤に出てくるところ、ここでは “ちょっと豪華な前菜” みたいな位置づけで出されるみたいっす。 お献立を見る限り、珍味系が多そうなので、懸念していたんっすが、普通に美味しいものが多かったっす。 ただ、ウズラの桑焼とウズラの卵の味噌漬け。 これがちょっと…。 卵のほうは普通だったんっすが、親のほうがちょっと…。 焼き鳥みたいなのが出て来たんっすが、小さくて、骨まるけで、食べにくくて、仕方なく骨ごとバリバリと囓ってみたんっすが、罪悪感が半端ねぇ…。 伏見稲荷に行くと、スズメやウズラの丸焼きが売られているんっすが、決してオススメはしません。 で、お造りの部。 普通の刺身とカルパッチョ風のがあって、どちらも美味しかったっす。 で、次。 「バーゼル」 。 フレッシュなファラオの魅力がこれでもか、と詰まったナンバーだ。 そういうアレみたいなんっすが、詰まっているのは、いいっすよね。 詰まっているなら、つまらないという事はないな。 そんな期待が高まるんっすが、リズムを様々な角度から崩してもスウィングは常にキープして、それでいて聴く者を感嘆させてしまうような圧倒的な存在感を魅せつける。 そういうアレなんっすが、聴く者を感嘆させる。 言うのは簡単なんっすが、なかなかに、カンタン・ド・エスタンっすよね。 スペイン語版 「きよしこの夜」 の歌詞に、そんなフレーズがあったんっすが、ここでのファラオくんの演奏は、ちょっぴり祝祭的な雰囲気があったりして、エエやん♪ …と。 そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。 「スウィート」 はミッド・テンポの透明感溢れるサウンドが魅力だ。 アップ・テンポの曲では圧倒的な演奏力で空間を支配する皇帝も、時に慈しむような面持ちでピアノを奏でるな…と。 タイトルの通り、ちょっぴりスウィートな作風で、ミッド・テンポというより、バラードなんじゃね? そんな気もするんっすが、透明感溢れるサウンドは魅力だし、ファラオくんは慈しむような面持ちでピアノを奏でているし、田中クンの言うことも、8割5分くらいは合っていると思います。 んなことで、次。

箸休め♪ 焼物♪

 “箸休め” という分類なんっすが、この旅館ではサブ・メインっぽい料理が出されます。 今回は 「牛しぐれ煮、鮑のバター焼、おこわ、海胆」 。 牛しぐれ煮以外、微妙…。 が、食ってみたら鮑も海胆も悪くはなかったし、ま、鮑も肝さえ食わなければ、基本、大丈夫やな…と。 で、続いては “焼き物” 。 これがメイン料理なんっすが、僕の選択したプランだと、肉系か魚系かの選択制。 僕は無論、肉をチョイスしました。 こういう時に魚を選ぶヤツって、無類の魚好きなのか、あるいは肉を憎んでいるのか。 罪を憎んで、肉を憎まず。 その精神で、肉を許して欲しいと思わずにはいられませんが、で、今回の肉系は 「豚の生ハム焼」 。 え、何それ? 生ハムを焼いたら、焼きハムなんちゃう? そんな気もするんっすが、で、生ハムだからなのか、脂気がなく、パサついた肉だったので、ちょっと残念。 ま、味そのものは美味しかったんすけどね。 んなことで、次。 「ブラザー・ケニー」 のケニーとはもちろん先輩のケニー・カークランド。 ブランフォード・バンドの先輩ピアニストだが、ケニーはファラオの事を弟のように可愛がっていたそうで、自分のスケジュールで仕事キャンセルする際は真っ先にファラオを代役に送っている。 本作がレコーディングされた年の秋にケニーは帰らぬ人となるが…って、え、ケニー・カークランドって、そんな昔にお亡くなりになってたん? 僕のイメージでは、期待の若手という感じだったんっすが、ググってみたら43歳の若さでお亡くなりになっておりました。 突然の死は、薬物のオーバードースによるとの説もあるが真偽は不明。 そんな記載もありましたが、田代まさし、ヤベぇぇぇ…。 沢尻エリカも、ヤベぇぇぇ…。 で、これ、カークランドというより、ちょっぴりハービーっぽい作風だったりして、エエやん♪ …と、そのように評価していいのではなかろうかと。 で、次。 「カオティック・ロマンス」 はイタリアの名ドラマー、アンドレ・チェッカレリの書いた高速チューン。 冒頭からジェフ “テイン” ワッツとの手に汗握るチェイスにしびれるが、続くファラオの突き抜けたアドリブは完全に段違い。 ワッツの野獣のようなドラム・ソロはその場にいたら卒倒してしまうほどの大迫力! そんな世界が展開されております。 ファラオとワッツ、どちらを褒めたいのか、よく分からん感じなんっすが、ま、どちらも凄ぇぇぇ! …と。 確かに、ここでのファラオのソロは、ちょっと突き抜けちゃった感があるんっすが、それを受けたワッツのドラム・ソロも迫力満点で、どちらも凄ぇぇぇ!

 で、次。 「ダム・ショウ」 はエレガントなメロディと瑞々しいファラオのアドリブももちろん素晴らしいが、このような楽曲では水を得た魚のように、フレキシブルなベースでバンドを牽引するアイラーのベースが最高だな…と。 参加者全員、平等に褒め称えるところに、田中クンの優しさを感じずにはいられませんが、無断で勝手に日本語ライナーを引用させて貰っている立場としては、ちょっとくらいは褒めておかないと。 唄うようにボトムを支えるアイラーのベース・ラインに乗せられて、ファラオのアドリブも実に唄いまくっている。 そう、田中センセイが書いておられますが、おっしゃるとおり。 確かに唄いまくってます。 ただ、歌うではなくて、唄う。 この漢字を使うと、どうしても京唄子の顔が浮かんで来てしまうので、やめて頂きたいな…と。 んなことで、ラストっす。 「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ」 。 バラードで幕を開けたアルバムは、最後もソロ・ピアノのバラードで締める。 そんな趣向のようでありますが、そんなことで、

デザート♪ コーヒー♪

 最後にデザートが出て、オフィシャルサイトから予約した特典で、コーヒーも付いて来て、ということで、今日のところは以上っす。

【総合評価】 ちょっぴり小難しくなりそうな局面もあるんっすが、ギリギリのところで踏みとどまっていて、実に90年代モノらしい仕上がりであるな。 そんな気がしないでもなくて、んなことで、☆オススメ☆


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