PREMINADO (RIVERSIDE)

BARRY HARRIS (1960/12/21,1961/1/19)

PREMINADO


【パーソネル】

BARRY HARRIS (p) JOE BENJAMIN (b) ELVIN JONES (ds)
【収録曲】

(01-03) MY HEART STOOD STILL / PREMINADO / I SHOULD CARE
(04-06) THERE'S NO ONE BUT YOU / ONE DOWN / IT'S THE TALK OF THE TOWN
(07-08) PLAY,CAROL,PLAY / WHAT IS THIS THINGS CALLED LOVE?
【解説】 ( 2018年04月15日更新 / 連載 1,297回 )

 山口県に行ってきました。 …と、その前に、京都に行ってきました。 今年は桜の開花が平年より1週間ほど早く、近畿・中国・九州方面は、どこへ行ってもアカンっぽいやんけ。 あ、でも、となると、遅咲きとして知られる 仁和寺の御室桜 が、めっちゃ丁度、見頃になるんちゃうん? …と。 んなことで、行ってみました。 僕の読み通り、4月1日頃には開花したようで、となると、満開になるのはそれから1週間ほど先。 完璧やん♪ ニマニマしながら、出発の日を待ち侘びていたんっすが、何か、思ったよりも早く、3日くらいには満開になっちゃってました。 でもまあ、2〜3日で散ったりしないよね? 大丈夫だよね? やきもきしながら、出発の日を待ち侘びていたんっすが、で、当日。 慌てて行ってみたら、門のところに看板が出ておりました。 「おむろ桜、落花さかん」 って、マジかよ? 千葉なら落花生盛んで上等なんっすが、うーん…。 で、行ってみたら、


< 仁和寺 (2018年春) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 マジで 「落花さかん」 やんけ! 花が落ちまくって、地面が白い絨毯みたいになってるやんけ! ま、これはこれで、風情があるよな。 そんな気がしないでもないし、超定番の構図、 “御室桜越しに見る五重塔” も、何とかモノにすることが出来たし、で、嬉しいほうの誤算としては、何か、濃い色の花がめっちゃ満開やん♪ 後から調べてみたら、ミツバツツジという花らしいっすな。 ツツジって、個人的にはあまり好きではなかったりするんっすが、何故かというと、小学生の頃、哲治 (てつじ) という名前の “邪悪なカツオ” みたいなキャラの奴に虐められたからなんっすけど。 が、よくよく考えたら、ツツジ関係ないし、冤罪だし、で、一方、ミツバ。 三つ葉、きんつば、生唾。 この中で、お吸い物に入れるなら三つ葉、お茶菓子にするなら “きんつば” 、飲み込むなら生唾だと思うんっすが、千葉、唾、手羽。 落花生が盛んなのが千葉で、名古屋の名物が手羽っすよね。 ちなみに、この伽藍のエリアは普段は無料 (ただ) で入れるんっすが、御室桜が咲き始めると、500円ほど徴収されるようになります。 「つぼみふくらむ」 くらいの状況から有料になるみたいっす。 で、 「落花さかん」 でも値引きなし。 がめつい。 そう言っていいかもしれませんが、がめつい、いかつい、どぎつい。 どれも僕のタイプではありませんなぁ。 で、仁和寺には通常時から料金を徴収される御殿・庭園のエリアがあったりするんっすが、せっかくなのでそちらも覗いてみることにしました。 御室桜のエリアと違って、こちらのほうは閑散としておりました。 閑散、陰惨、アウンサン。 期待外れ感が半端ないっすよね、アウンサン・スーチー。 で、庭のほうは前にも何度か、えーと、 ここ とかに写真があったりするので、今回は1枚だけ。 そういえば、去年の夏に行ったばかりでありましたな。 この時、昼飯を食べた “隨縁亭” は、今回も夜に行っちゃったし、スパも利用しちゃったし、代わり映えしねーな。 そんな気がしないでもないんっすが、で、今回、昼飯はどこで食べたのかというと、 京都牛懐石 稲吉 。 ここは初めての利用なんっすが、本名が稲葉クンな僕としては、吉であるな…と。 ちなみに、さば兄の名前の略称がこんなアレだったりするんっすが、予約した11時半まで、まだ時間に余裕がありそうなので、もう1件、どっか寄ってく? ということで、二条城に行ってみるじょー。


< 二条城 (2018年春) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 どうしてここをチョイスしたのかというと、 桜の園 という、チェーホフっぽいところの桜が、わりかし見頃っぽいらしい。 そんな不確かな噂を小耳に挟んだからなんっすが、で、行ってみたら確かに、まあまあそこそこ咲いておりました。 それ以外のエリアも意外に健闘していたりして、悪くはなかったっす。 (写真・上から2枚目) の “VISA” は何なのかというと、 これ 。 何かよく分からん出し物なんっすが、とりあえず背景に青いのを取り入れてみました。 んなことで、そこそこ満足したので、昼飯場所の先斗町に移動〜。

木屋町通り♪ 先斗町公園♪

 木屋町通りの高瀬川のところとか、先斗町公園とか、桜がめっちゃ綺麗なスポットだったりするんっすが、すっかり盛りを過ぎちゃっておりますなぁ。 ということで、いざ、稲吉へ。

店の外観♪ 鴨川の見える席♪

 場所としては、公園のすぐ南側になります。 一見さんだと入りづらい、高級で敷居が高そうな店っすな。 こういう場合の 「敷居が高い」 というのは、正しい使い方ではないそうっすが、じゃ、何て言うんや? 「ハードルが高い」 というのも変やろ? で、他に適当な言い方がないので、誤用と知りつつ、これを使うしかないような気がするんっすが、そんな “敷居” も、 “予約” という手形さえあれば、余裕でスイスイと乗り越えることが出来て、とまあそんなことで、入店。 鴨川がよく見える窓際のいい席を用意してくれておりました。 掘りごたつ式になっているので、足も楽。 で、ランチメニューは ここ 参照。 お手軽な 「昼のお重 2,900円(税抜)」 というのを頼んでみました。 メインは和牛のステーキ80g。 ま、昼飯だから、それくらいでいいかな? …と。 んなことで、到着〜。

INAYOSHIランチ♪

 メイン以外にも、牛肉のワイン煮みたいなのと、鴨ロースが付いていて、肉肉しくて、憎いっすなぁ。 鴨川を眺めながら鴨肉を食べるというのも、なかなか風情があると思います。 で、肝心のステーキはというと、美味ちい♪ 適度に脂があって、柔らかくて、めっちゃ美味ちい♪ 当初、門司港に行って、焼きカレーでも食うかぁ。 そんなプランだったりしたんっすが、やめて、こっちにして、大正解。 店のおねえさんも愛想がよかったし、リピ決定♪ …でありますな。 夜の先斗町というのも雰囲気がありそうだし、今度は 京都牛懐石 、いっちゃいますかね? 懐石なのに和洋折衷…というか、和洋印折衷で、カレーがあるというのが面白いっすな。 隣の席のカップルのアベックのペヤングの兄ちゃんはカレーを頼んでましたが、 「このカレー、けっこう辛ぇぇ〜」 とか言ってました。 んなことで、1日目の昼飯は、大満足♪ ということで、午後の部。 そうだ大原、行こう。 そういう算段だったりするんっすが、どうしてそこを選んだのかというと、三千院の桜が、わりかし見頃っぽいらしい。 そんな不確かな噂を小耳に挟んだからなんっすが、ということで、行ってみました。 地下鉄で国際会館前まで行って、そこからバスというのが混雑しなくて、賢明なのではなかろうかと。 三千院には前にも一度、紅葉の時期に行ったことがあるので、今回はその周辺の地味寺院を中心に回ることにして。


< 大原散策・その1 (2018年春) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

 (写真・いちばん上) 。 バスを降りて、少し歩いたところに菜の花が咲いておりました。 向こうのほうには桜もありますな。 エエやん♪ で、小川に沿った道をズンズンと上っていくと、10分くらいで三千院に到着〜。 で、そのあっちだか、こっちだかに、地味な寺院が3件ほどあったりするんっすよね、確か。 で、周囲を見回すと、 「来迎院」 あっち。 そんな案内が出ていたので、そっちのほうへ歩いていってみることにしました。 三千院の周囲は賑やかなんっすが、そっちの寺まで足を伸ばす人は極めて些少なようで、閑散としておりますな。 で、行ってみて、気付きました。 違う! 僕が行きたかったのは、こんな地味地味な寺じゃねぇ…。 確か、座敷に座って、抹茶を飲んで、お菓子を食べて、庭を眺めながら、まったりと過ごせる。 そんな寺があるという話だったんっすよね。 が、この来迎院にはそんなサービスはなくて、ひたすら地味な建物を見ながら、適当に周囲を歩き回るだけという。 えーと、 これ っすか。 再建とは言え、本堂は1533年の作。 それなりに歴史的な建造物だったんっすな。 で、藤原時代の薬師、阿弥陀、釈迦三如来坐像 (いずれも重文) が安置されている…と。 閑散としているのに、僕の他にオッサンが一人いて、本堂の中を覗き込んでいたので、ま、いっかぁ。 そう思って、素通りしちゃったんっすよね。 ま、あまり興味はないので、別にいいんっすけど。 お庭、大好き♪ が、五重塔以外の建物と仏像には、あまりソソられるものがない。 そんな趣向の僕にとっては、じーんと感動することのない寺院でありました。 来た道を引き返して、で、今度は三千院の門の前を通過して、あっちの奥のほうへ。 ほどなくすると、 「実光院」 というのが出てきたので、入ってみることにしました。

入場料は抹茶・お菓子付きで700円。 えーと、 これ っすか。 抹茶なしで500円だかのコースもあったかと思うんっすが、ここで200円ケチるという選択はないっすよね。 抹茶とか、敷居が高そう。 そう思って、敬遠する人もいるかも知れませんが、こういうところの抹茶って、茶道みたいな難しいことを要求されるワケではないので、喫茶店で、茶でもしばいたろか。 そんな感じで、気楽にチャレンジするのが吉ではなかろうかと。 ということで、入場〜。 ああ、これこれ。 赤いところに座って、お庭を眺めながら、まったり。 ほんの小さなプチ寺院といった感じのところなんっすが、額縁庭園が素晴らしいっ♪ すっかり満足して、で、次。 「勝林院」 。 えーと、 これ 。 実光院のサイトの1コーナーみたいな感じになっているので、姉妹寺というか、そういうアレなんっすかね? まあまあ立派な阿弥陀如来坐像があったりしたんっすが、庭っ気のない寺なので、個人的にはちょっと今ひとつ。 ということで、次。


< 大原散策・その2 (2018年春) > (←クリックすると写真ページに飛びます。)

  「宝泉院」 。 これ 。 入場料が800円って、えらく高いなぁ。 …と思ったら、ここも抹茶・お菓子付きなんっすな。 というか、額縁庭園があって、座敷に座って、抹茶が飲めるところ。 僕が頭に描いていたのは、こっちのほうだったかも? そっちとは別に、 宝楽園 というエリアもあったんっすが、ここは平成17年3月の作と、めっちゃ新しいだけに、ちょっぴり現代アート風というか、新興宗教っぽい空気が感じられたりして、オモロイやんけ! …と。 で、もうひとつのトラディショナルなほうの庭はというと、池っ気がないからなのか、個人的には、さっきの実光院のほうが、よかったな…と。 抹茶を飲む茶碗も、あっちのほうが高級っぽかったような気が? ちなみに僕にはほんのちょっとだけ、 “茶” の知識があったりするんっすが、以前、京都の宿に泊まったとき、女将さんが教えてくれたんっすよね。 えーと、 ここ 参照。 いちばん下のところ。 そうそう、茶碗の “顔” 。 実光院のソレには確かに “顔” があったんっすが、宝楽園のは何だかあまりはっきりしなくて、のっぺらぼうだったような? グラスの底にすら、 “顔” があるのにぃ。 ほれ 。 でもまあ、変な庭のほうも見れたし、トータルで考えれば、悪くはなかったな。 そういった評価でいいのではないかと思いますが、で、帰りのバスまで、まだ時間があるので、 「三千院」 も覗いてみるとして。 前に行った時のレポは、んーと…、 こちら 。 で、今回は桜が目当てだったんっすが、確かに咲いてました。 が、桜の名所っぽく、あちらこちらに咲きまくっているという状況ではなくて、ま、そこそこかな? …と。 ユキヤナギとかも咲いていて、そっちのほうは綺麗でありましたな。後は、写真にはないものの、シャクナゲだとか。 ま、それはそれでよかったんっすが、この頃から、けっこう強めの雨が。 前日まで、けっこうな大雨だったりして、おかげで御室桜が 「落花さかん」 になっちゃったんっすが、土曜日の午後からは晴れるって言ってたじゃん! 天気が崩れるとか、聞いてねーぞ! 傘は京都駅のコインロッカーの中に置いてきちゃったし、油断して薄着をしてきたら、めっちゃクソ寒いし、風邪気味でちょっと頭が痛かったりするのが、雨に打たれて、ますます悪化しちゃいそうな予感が…。 暗雲の立ちこめる一日目の午後でありますが、で、この続きはまた、次回♪

 とまあそんなことで、今日はバリー・ハリスっす。 いいっすよね、バリ・ハリ。 バリバリと “ハリハリ漬け” を食べてそうで。 えーと、 これ 。 切干大根もしくは割り星大根に、数の子に、スルメ。 見事に僕の嫌いなものばかりでありますなぁ。 切干大根って、大根の旨味…というか、マズ味がギュッと凝縮されていて、嫌。 数の子に限らず、魚介類のタマゴは何かキモいし、スルメはイカ臭いし。 そんな漬物、バリバリと食うな! そう思わずにはいられません。 僕のバリー・ハリスに対する好感度が一気に低下しちゃいましたが、ま、本人には何の罪も無いし、冤罪みたいなものだったりするんっすけど。 とまあそんなことで、今日はそんなバリ・ハリの 『プレミナード』 というアルバムを取り上げてみたいと思います。 これ っすな。 5人中4人が星5つ、残る1人が星4つという高評価。 いかも、5人中2人が 「スルメのような」 みたいな事を書いております。 スルメ率40%。 スルメがさほど好きではない僕としては、ちょっぴり複雑な気持ちになってしまいますが、子供の頃は 「紋次郎イカ」 とか喜んで食っていたのに、いつからイカ嫌いな大人になってしまったんでしょうか? ま、それはそれとして、1960年録音のリバーサイド盤。 ベースはジョー・ベンジャミンで、ドラムスはエルビン・ジョーンズ。 ベンジャミンはちょっぴり ミンナミン みたいでアレなんっすが、知的なハリスと、暴れる系なエルビンとの組み合わせがどんな効果をもたらすのか、乞うご期待。 ということで、さあ、バリー・ハリスの魅惑的なプレイに耳を傾けてみようではないか!

 小西敬一クンの書いた日本語ライナーに、太字でそう書いてあったんっすが、このアルバムは、リチャード・ロジャースとロレンツ・ハートの名コンビがミュージカル 『コネチカット・ヤンキー』 の主題歌として書き下ろしたナンバー 「マイ・ハート・ストゥッド・スティル」 で幕を開けます…と。 ヤンキー映画なんっすかね、コネチカット・ヤンキー。  『ビーバップ・ハイスクール』 みたいな。 だとすれば、ビ・バップの伝道師と呼ばれたハリスには、ぴったりなんじゃないかと思うんっすが、この主題歌は確か、ヤンキーらしからぬ “キュンキュン系” だったのではなかったかと。 最近のレビューで取り上げた記憶があるんっすが、えーと、 これ っすな。 いちばん下のほう。 あ、ナガシマで開催された “ミシュランガイド・フードフェスティバル2018” 、大爆死だったみたいっすな。 食べ物を食べに行くのに入場料800円って、いくらドリンクチケット500円付きとはいえ、アカンやろ? その食べ物も 「名物 焼胡麻豆腐」 がコイン2枚 (=1,600円) とか、ありえないボッタ価格だし。 胡麻豆腐とか、 和歌山マリーナシティホテル の朝飯のバイキングで食べ放題でしたぜ。 ま、ただの胡麻豆腐と、名物の焼胡麻豆腐が別物であるというのは分かるんっすが、高級店というは店の雰囲気だとか、接客だとかを含めてその値段なワケだから、ナガシマの駐車場ではアカンやろ? …と。 完全なる失敗企画でありますが、で、このレビュー、 「マイ・ハート・ストゥッド・スティル」 について、肝心なことは何も書かれておりませんな。 “キュンキュン系” なのは、別の歌だったかも? で、ハリスの演奏のほうはというと、ドラムスとベースの見事なサポートをバックにハリスはクリアーなタッチでスインギーに小気味良くフレーズを綴っていき、バップの生き生きとした息吹きを感じさせる、すがすがしいプレイを披瀝してくれます…と。 披瀝。 難しい言葉を使ってますな。 心の中を包み隠さずに打ち明けること。 何かそれ、違うんじゃね? そんな気がしないでもないんっすが、 “amazon” のレビューの人は、モンク的なアプローチとか何とか、書いておりましたな。 そうかぁ? とりあえず今日の僕は何事にも否定的だったりするんっすが、知的な香気みたいなものを感じさせるアドリブ・フレーズが、たまらんっ♪ 終盤、ベースのソロも披瀝されますが、某・ミスターPC君ではないので、アルコは出てこなくて安心だし、最後、エルビンとの4バースで知的で素敵に盛り上がって、でもって、テーマに戻って、おしまい。 一聴、何気ない演奏のように聞こえるんっすが、スルメのように噛めば噛むほど味が出るな…と。 そのように評価していいのではなかろうかと。

 で、次。 ハリスのオリジナルで、アルバム・タイトル曲の 「プレミナード」 。 遊歩道のスペイン語訳とのこと…でありますな。 彼の師匠格バド・パウエルの最高傑作 『アメイジング・バド・パウエル第1集』 に収められている名演 「ウン・ポコ・ロコ」 がすぐに思い出されるほど、この二つの作品のエキサイティングなムード、ビートの扱い方などは似かよっており、彼がパウエルに挑戦したナンバーと見ることもできましょう…と。 確かにめっちゃ、ウン・ポコしてますよね、これ。 エルビンとの激しい “対決” が最大の聞き所なんっすが、バリー・ハリスって、悪くはないけど、地味だよね。 そんな印象を持っている人に、是非とも聞いて頂きたいナンバーでありますな。  激しく煽られても知性を失わないところがこの人らしいとも言えるんっすが、アオリイカに生まれ変わったとしても、うまくやっていけそうな感じがありますよね、この人、というか、このイカ。 で、次。  「アイ・シュッド・ケア」 。 前曲から一転、無伴奏ソロによるバラードっす。 パウエルというか、その始祖のアート・テイタムを彷彿させるスタイルだったりして、この人、訪仏しても、うまくやっていけそうやな…と。 フランス人にも受けがよさそうっすもんね、このイカ、ではなくて、この人。

 で、次。  「ゼアズ・ノー・ワン・バット・ユー」 。 音楽は常に楽しく美しいものでなければならない、という彼の考えを良く示したような好ましいナンバーです…と。 超アップ・テンポもバラードも悪くはないけど、ハリスってやっぱり、ミディアム・テンポで軽快にバウンスする、この手のアレがもう、最高っ♪ ということで、次。 ハリスのオリジナルで、 「ワン・ダウン」 。 彼の敬愛するもう一人のピアニスト、セロニアス・モンク的な曲想を持ったテーマが、アフロ・リズムに乗って奏される、そういうアレだったりして、彼の卓越したテクニックの中からある種の職人気質のようなものが感じ取れることでしょう…と。 いいっすよね、職人気質。 少なくとも、職員室よりは緊張しなかったりするんっすが、いや、職人を相手にするのも、けっこう気を遣うんっすけどね。 職人よりは食パンを相手にするほうが気は楽なんっすが、 “しょくぱんまん” って、ああ見えて、けっこう厚切りらしいっすな。 これ とか。 厚切り…というか、2枚重ね? ということで、次。 マーティー・サイマスとアル・ネイバーグ (作詞) 、ジェリー・リビングストン (作曲) による美しいバラード・ナンバー 「イッツ・ザ・トーク・オブ・ザ・タウン」 。 いや、いいっすな、これ。 「街の噂」 という邦題をどこかで見たことがある気がするんっすが、松田聖子とニューヨークで密会して、それを知った中森明菜が手首を切ったらしいっすな。 …って、それは 「マッチの噂」 。 ぶっちゃけ、あまりいい噂は聞かないっすよね、近藤真彦。 「夢絆」 は、なかなかいい歌だと思うんっすけど。 で、ハリス版の 「街の噂」 はというと、これぞ究極のリリシズム。 切ないぜ…。

 で、次。  「プレイ・キャロル・プレイ」 。 ハリスのオリジナルで、彼の娘キャロルに捧げた愛情溢れる軽快なナンバーであるな…と。 洋ロリ好きにとっては、たまらなくて、思わず、洋ロリヒ〜♪ …と、ヨーデルを歌ってしまうようなアレでありますが、和ロリ好きな僕としては、うーん、まあまあ? アップ・テンポでバピッシュな曲調なんっすが、快活な幼女なんっすかね、キャロルたん。 御殿場、いたずら、大好き、かけっこ、スキップ、大好き♪ …みたいな。 いいっすよね、御殿場。 プレミアム・アウトレットとかあって。 ということで、ラストっす。  「ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラブ」 。 日本名 「恋とは何でしょう」 。  「恋とはどんなものかしら」 という、カマっぽい口調のバージョンもあるんっすが、恋とは、東京都港区に本拠を置く自動車用照明部品、航空機部品メーカーである。 …って、それは小糸製作所。 「小糸とはどんなものかしら」 と聞かれた時に、そう答えることが出来れば正解なんっすが、恋とは何でしょう? この質問に関する答えは難しいっすよね。 ちなみに、公式の回答はというと、 これ 。 まったく何の答えにもなってませんな。 で、演奏はというと、ハリスのピアノ、ベンジャミンのベース、エルビンのドラムスが、大変に息の合った素晴らしい演奏を展開し、アルバムの掉尾を飾ってくれます…と。 掉尾。 難しい言葉を使ってますな。 物事が、 最後になって勢いの盛んになること。また、最後。 何となく、間違ってはいませんな。 とまあそんなことで、今日のところは、以上っす。

【総合評価】 いぶし銀のような渋い魅力を放つバリー・ハリスの珠玉アルバム 『プレミナード』 。 そう、太字で書かれているだけのことはあるな…と。 アップ・テンポ、バラード、ミディアム、選曲のバランスがよく、並びもよく練られていて、地味過ぎず、派手過ぎず。 噛めば噛むほど味が出る、スルメのような演奏であるな。 …と、そのように評価していいのではなかろうかと。 イカ好きの人にお薦めな、とってもイカす1枚でありました。


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