TENOR SAX (BETHLEHEM)

HAROLD OUSLEY (1961)

TENOR SAX ←click!!


【パーソネル】

JULIAN PRIESTER (tb) HAROLD OUSLEY (ts) CHARLES DAVIS (bs)
PHIL WRIGHT (p) TOMMY WILLIAMS (b) WALTER PERKINS (ds)
【収録曲】

(01-04) PARIS SUNDAY / DEVACHAN / AT LAST / LUSH LIFE
(05-07) STRUTTIN' TO TRUCKIN' / DELL-A-VONN / PORTER'S GROOVE

【解説】 ( 2023年04月02日更新 / 連載 1,528回 )

 衝撃の新事実。 “スケバン” は “スケベな番長” の略ではなかった!! え、マジっすか? もしそれが本当なら、 月刊『ムー』 の総力特集、「異星人グレイの正体は河童だった!!」 に匹敵する程の大スクープなんっすが、これ、一体いつの記事だったのかと思って調べて見たら、 1996年4月号 。 古すぎて、電子版が見当たらないので、仕方なく Amazonマーケットプレイス出品者 「羅須候書店」というところから買うことにしたんっすが、1,857円もしましたぜ。 高いっすぜ。 買う前から、中身がクソつまらないのは分かっているので、無駄金もいいところなんっすが、こうなったらもう、電子版の最新刊も買ってやるぅ! 自分からわざわざ、泥沼に飛び込んでいくスタイルなんっすが、ちなみに2023年4月号の総力特集は 「緊急警告!!人類滅亡の最新科学」 。 お? もしかして、数年に1度あるかどうかの “当たり” である可能性が、まったくないとは言い切れなかったりするとか? 2021年6月号の 「イエス・キリストと伯家神道 “祝之神事” の秘儀伝授」 とか、 読む前からハズレ確定…というか、まったく読む気が湧き上がってこなかったりするんっすが、何や、伯家神道って? 「おじのいえ」 で変換して、叔父の家…じゃなくて、伯父の家。 そこから 「父の」 を削除して、振動、震動、神童、新道、神道。 これや! そういう経緯を辿らないと漢字に変換出来なくて、クソ面倒なんじゃぁぁぁぁぁ! しかも “祝之神事” 。 僕は ネオ眞治 以外の 「しんじ」 は、信じないんじゃぁぁぁぁぁ!

 で、最新号の 「人類絶滅の最新科学」 。 衝撃のユートピア実験!! すべてが満ち足りた環境に住むネズミは2年で全滅した!! え、マジっすか? もしそれが本当なら、 “スケバン” が “スケベな番長” の略ではないのと同じくらい衝撃的なんっすが、1968年〜1972年にかけてアメリカの動物行動学者ジョン・B・カルフーンが 「ユニバース25」 というネズミを使った実験を行った…と。 1968年というと、今から54年か、55年か、56年前くらいの話でありますな。 算数が苦手な僕が、どうして瞬時に計算出来たのかというと、僕が1968年 = 昭和43年生まれだからなんっすが、今年の3月19日で、54歳になったんだか、55歳になったんだか、56歳なんだったか、その辺がちょっと曖昧だったりするんっすけど。 で、カルフーンくん、ちょっぴり “軽い糞(ふん)” みたいな名前なんっすが、学者としては極めて優秀で、1947年から、繁殖に必要な十分なスペースと無限の食料を与えられたら、ネズミはどのような社会を作りだすのか? 「ユニバース1」 から 「ユニバース24」 まで、24の実験を続けて来て、で、その続きが 「ユニバース25」 ということになるんっすが、にじゅうごー、にじゅうごー、ゆにばーす、ゆにばーす、ゆにばーす、にじゅうごー♪ 「パネルクイズ25」 の節で歌おうとすると、今ひとつ字足らずだったりするんっすが、改めて聞いてみると、なかなかジャズっぽい仕上がりでありますな。 キダタロー先生なら、こんな洒落た仕上がりにはならなかったに違いありませんが、 山下毅雄 という人が作曲したんっすか。 付加六度や変位11や13の和音など、モダン・ジャズの世界で可能性が究められたテンションコードが、テレビやラジオなどの日本の放送音楽で何の障害もなく流れるようになったのは、彼の功績である。 おお。 何かよく分かんないけど、凄ぇぇぇぇ! 付加六度と言えば、てなもんや三度笠の 「倍」 っすからね。 それだけで、世界のヤマタケの凄さが際立ってしまうんっすが、ま、それはそうと、 「ユニバース25」 。 詳しくは ここ 参照なんっすが、うわ…。 わざわざ無駄金を費やして本を買わなくても、無料(ただ)で読めるじゃん! それはそうと、ニートネズミの他人事ではない感…というか、他鼠事ではない感が半端なかったりするんっすが、ちなみに雑誌のほうだと、弱いオスはメスにも相手にされず、群れから離れてひとりで食べたり寝たりするようになった。 人間にたとえるなら、陰キャでニートなネズミである。 微妙に説明が詳しくなっていて、やり切れなさが、より増していたりします。 無駄金を払わされた上に、どんよりした気持ちにさせられて、泣きっ面に蜂、もしくは、踏んだり蹴ったり。 いや、それだと、ただの加害者なので、踏まれたり蹴られたり。

 いずれにしろ、ユートピア環境で爆増する筈のネズミが、逆に2年で全滅した!! …という悲惨な結果に終わってしまったんっすが、今回の総力特集、まあまあ読める部類ではありましたな。 ま、それはそうと、 “スケバン” は “スケベな番長” の略じゃないって、マジっすか? じゃ、何の略なのかというと、 “スケの番長” 。 “スケ” って、何や? …と思ったら、 “女子” のこと。 何でや? スケスケのパンツを穿いてるからか? ま、確かに中には、スケスケのパンツを穿いている女子もいるかも知れませんが、透けてないパンツを穿いているほうが大多数なような? 逐次、道行く女子のスカートをめくって確認したワケではないので、はっきりしたことは言えないんっすが、 「PAPAPAPAPANTSU〜だってパンツだもんっ!」 から類推する限り、女子が穿いているパンツは、レースつきのパンツ、いちご模様のパンツ、あー、白も黄色も、赤も黒も水玉、ストライプ、パンツだもんっ! (中略) 紐パン、トランクス、白に赤のラインいり、おかあさんが買ってきた3枚千円、前にプリント入っているパンツ、透明パンツ、穴開きパンツ、ノーパン。 そういう内訳になっています。 あ、人前で聞くのは、とっても恥ずかしい歌が流れるので、今、これを電車の中だとか、学校とか、職場とかで読んでいる人は、 クリック注意! …なんっすが、この中でスケスケと言えそうなパンツは、レースつきのパンツ、透明パンツ。 この2点くらい。 パンツのスケスケ率、12.5%くらい。 穴開きパンツと、ノーパンをどう捉えるか、判断が難しいところだし、おかあさんが買ってきた3枚千円。 これがスケスケな可能性もゼロではないんっすが、安くて生地がペラペラで、透けちゃってるかも知れないんすが、この3つをスケスケに分類するとしても、31.25%。 過半数に遠く及ばないので、女子はスケスケのパンツを穿いているから、 “スケ” 。 この理論は、ちょっと成り立たないかな? …と。

 じゃ、どうして女子のことを “スケ” というのかというと、 ここ 参照。 スケとは 『なお助』 の略で、女を意味し、不良を中心に戦後普及した言葉である (本来 「なお助」 の “なお” の部分が女性を意味し、 “スケ” には特に意味はなかった。 エエぇぇぇぇぇ…。 本来、「女の番長」は 「スケバン」 ではなく、 「なおバン」 と呼ぶべきだったんっすが、それだと全然、スケバンっぽくないので、 「スケ」 のほうが採用されることになったんっすかね? で、また、スケは助平 (スケベ) という意味を含み、特に好色な女性を指して使う場合がある。 これだと、スケバン = スケベな番長も、あながち間違ってはいないんっすが、で、今回、どうして僕が 「スケ」 の話をしたのかというと、仕事で言われたんっすよね。 量水装置を取り替える、そういう工事をやったんっすが、そこで使った量水装置と配管の重量を一覧にして、出してくれ…と。 量水装置のほうは量水装置屋に頼んだので、そこに聞けば教えてくれると思うんっすが、配管のほうは電気屋に頼んで、どっかの町工場で作って貰ったんっすよね。 ちゃんと重量を把握しているか、怪しい…。 で、電気屋に聞いてみたところ、案の定、「エエぇぇぇぇ…。 分からん…、と思う。」 と言われてしまったんっすが、もしかして、自力で計算するしかなかったりするとか? 算数、苦手なんっすけど? 今回、作った配管というのは、 これ とか、これ とかだったりするんっすが、1フランジ直管のほうは、何とかなるような気がします。 フランジは規格品なので、調べれば重量が出ると思うし、残りの胴体部分のほうも、表面積さえ求めることが出来れば、それに厚さを掛ければ体積が出るし、それに比重を掛ければ重量が出るような気がするし。 計算は極めて苦手だったりするんっすが、電卓を使えば余裕だし。 「計算出来なくても電卓使えばいいし、漢字書けなくてもググればええだけやん。」 そう、ゆたぼんも言ってたし。 試しにやってみましょうか? まずはフランジの重量。 これこそ、ググればええだけっすよね。 ほい 。 出ました。 150Aのフランジの重量は、SOP形で 6.34kg、BL形で 10.1kg。 SOP形って、何や? 力士の体型は 「アンコ形」 と 「ソップ形」 に大別されるんっすが、僕が断然、ソップ形派。 あんこ形とか、ただのデブじゃん。 で、BL形って、何や? ボーイズ・ラブ? 僕の趣向にそぐわなかったりするので、今回はSOP形 = 6.34kgを採用することにして、で、後は胴体の部分。 中に餅米を詰めなくてもいいんか? そういう問題も出て来たりするんっすが、今回、別に「イカめし」を作るわけではないので、餅米は詰めなくても、いいか…と。

 で、今回、配管を作って貰うにあたって、電気屋から聞かれた謎の “符帳” があるんっすが、「 “スケ20” でいいっすか?」 そんなふうに聞かれたんっすよね。 何のことだか、さっぱり分からなかったので、「それでいいっすよ、全然。」 と、適当に答えておいたんっすが、 「スケ」 って、何や? すけべ20? もしくは、スケソウダラ20匹分? 僕は魚があまり好きではないので、スケソウダラとか、20匹どころか、2切れでさえ、いらなかったりするんっすが、ちなみに電線の世界にも 「スケ」 という概念があったりします。 電線を流れる電流は、断面積に比例だか何だかする筈なので、電線のサイズは直径ではなく、断面積で呼ぶことになっているんっすが、それが 「スケ」 。 んーと、 ここ 参照。 スケア、もしくはスクエア。 そんな気取った言い方はしません。 スケ。 これが普通です。 英語の 「square」 から来ているんっすが、四角っすよね。 ジャズ・ファンなら真っ先にハンク・モブレイの 「ノー・ルーム・フォ・スクエア」 が浮かぶのではなかろうかと。 スクエア = 頭の固い者たち・上流階級・保守的な人々。 そんな奴らはお断り。 ヒップな奴だけ部屋に入れ。 そんなメッセージが込められているんっすが、電線の断面はヒップ (丸い) のに、スクエア (四角) 呼ばわりして、エエんか? そんな気がしないでもないんっすが、「断面積」 くらいの意味で使っているんでしょうな。 断面積 1.25mm2 の電線は 1.25sq (いってんにぃご・すけ)、2mm2 の電線は 2sq (に・すけ) 。 そんなふうに呼んだりします。 5.5sq (ごーてんご・すけ) とか、8sq (はち・すけ)とか、100sq (ひゃく・すけ) とか。 で、ステンレスの配管で、スケ20 (すけ・にじゅう) ? え? 何それ? とりあえず、「それでいいっすよ、全然。」 と、答えてはみたものの、それで全然よくなかったりしたら困るので、後でこっそり調べてみました。 配管スケジュール(Sch)の基本と計算方法 。 あ、これっすか。 スケ = スケジュール = 肉厚 なんっすな。 で、 配管用ステンレス鋼管の寸法 。 これによると、150A スケ20 の肉厚は 5.0mmということになりますな。 というか、図面に厚みが明記されておりますな。 スケとか気にせずに、最初からそれで計算すればよかったんっすが、

  直径 165.2mm → 円周 165.2×3.14 = 518.728mm
  長さ 258mmなので、表面積は 518.728×258 = 133831.824mm2
  厚み 5.0mmなので、体積は 133831.824×5.0 = 669159.1mm3
  SUS304の比重は 7.93なので、669159.1×7.93 = 5306431.822

 単位が不明なんっすが、53kgはないような気がするので、5.31kgとか、そんなものっすかね? それにフランジの 6.34kgを足して、11.65kg 。 よし、出た! で、問題は変な形をした管のほうなんっすが、こういう右と左で径が違う管のことをレジューサーと言ったりします。 日本語だと片落管 (かたおちかん) 。 え? かたお? 痴漢? 耳慣れない言葉で、あまりピンとこないかも知れませんが、こんな重量を計算するのが面倒そうな変な管、作らせるなって! そう、思わずにはいられません。 が、作ってしまった以上は、仕方ありません。 何とかして、表面積を導き出さねばなりません。 展開してやると、何となく台形になるっぽい気がしないでもないんっすが、台形だったら面積、計算出来ますよね?
(上底+下底)×高さ÷2でしたっけ? で、実際に台形になるのかどうか、これは模型を作って、確かめてみるしかありません。 紙を丸めて円錐形を作って、


 両端を切って真っ直ぐにして、


 それを展開してやると、


 おお、これは! 台形ではないっすな。 微妙に違いますな。こんなん、面積、計算出来やんやん! あ、でもこれ、ほぼ台形っすよね? 台形と見なすことが出来るレベルっすよね? で、重量とか、そこそこの精度でいいっすよね? 役所の担当者曰く、次に工事をする時に、手で持てるかどうか、判断するのに使う。 そういう用途らしいので、だいたいでいいっすよね? 手で持てるかどうか、そんなん、持つ人の力量によっても変わってくるし。 んなことで、台形と見なして、ざっと計算。

  細いほうの直径 267mm → 円周 267×3.14 = 838.38mm ← コイツが上底
  太いほうの直径 609.6mm → 円周 609.6×3.14 = 1914.144mm ← コイツが下底
  台形の面積 (838.38+1914.144)× 高さ 866 ÷ 2 = 1191842.892o2
  厚み 6.0mmなので、体積は 1191842.892×6.0 = 7151057.352mm3
  SUS304の比重は 7.93なので、7151057.352×7.93 = 56707884.8

 単位が不明なんっすが、5.67kgでは済まないような気がするので、56.7kgとか、そんなものっすかね? で、後はフランジなんっすが、ルーズフランジって、何や? ま、何か2枚あるっぽいから、

  250A = 11.8 × 2 = 23.6kg  600A = 45.7kg

 これらを全部足して、56.7+23.6+45.7 = 126kg
 結論。 手では持てない。 よし。 答え、出た! …と、ここまで書いたところで、電気屋からメールが届きました。

  量水装置取替工事の配管重量を連絡させて頂きます。

  某・現場(A) 150A配管 11.5kg
  某・現場(B) レジュース管 約87kg

 おお、上のほう、まあまあいい線、いってる♪ で、問題は下のほうなんっすが、え? 全然、違くね? これ、どういう計算したんや? で、「約」で逃げるなぁぁぁぁぁ! 僕は自分を信じます。 電気屋は信じません。 126kg と 87kg。 間を取って、じゃ、だいたい 100kgくらい。 そのように報告するという手もあるんっすが、自分とネオ眞治以外は信じない僕は、126kg。 これで押し通そうと思います。 で、今さらなんっすが、 こんなページ を発見。 円錐台。 そういう名前のヤツだったんっすな。 底面半径が 304.8 上面半径が 133.5 高さが 866で、その答えは…。 1215552 。 僕の導き出した答えは 1191843 。 イケるやん! 電気屋、破れたり。 適当な計算をよこした罪は重いっす。 そう簡単に許すわけにはいきません。 でもまあ、 前回 参照、パトライトの電圧を間違えて頼んじゃった件を、なかったことにしてくれるのであれば、相殺して、チャラにしてあげてもいいかな? そんな気がしないでもありません。 僕が大幅に譲歩した形になるんっすが、心の広いところを見せつけておいて、令和4年度のお仕事は、おしまい☆

 んなことで、後半のオマケのジャズの話っす。 先週からテナーサックス (フリーマン編) をお届けしていて、今回はボン・フリーマンを取り上げる予定だったんっすが、 調べて見たら、既にレビュー済みでありました。 しかも2週連続で。 ここここ 。 既に一年以上経過しているんっすが、仏の顔も三度まで。 さすがに三度目にはブチ切れるのか、三度目までは寛容なのか、判断が分かれるところではあるんっすが、特別枠で取り上げるほどのキャラでもねぇな。 そんな気がしないでもないので、 (フリーマン編)は急遽打ち切ることにして、今週からテナーサックス (わりと新しめの人 及び よく分からない人編)をお届けしたいと思います。 で、手始めはハロルド・アウズリー。 よく分からない人っすよね。 きっかけは極めて不評だった…というか、まったく何の反響もなかった 『キテレツ大百科』 。 このジャケ絵、けっこう頑張って書いたのに…。 で、『キテレツ』 のアニメって、一度も見たことがないな。 どこかで配信してないかな? …と思って調べて見たら、 これTSUTAYA DISCAS というところで見れるんっすな。 というか、ここでしか見られないぽい? で、何も考えずに会員になってしまったんっすが、これ、ストリーミングとか、ダウンロードで動画を見るんじゃなくて、物理的にDVDの円盤を送り付けてくるサービスっぽい? うわ、面倒臭ぇ…。 早まったぁ…。 が、音楽CDのレンタルもあるみたいなので、『キテレツ』 はもうどうでもよくて、そっちのほうで利用してみることにしました。 2枚セットでレンタルしたいCDを登録しておくと、2日後くらいには郵便で届けられて、で、封筒の表面の宛先を切取線からビリッと破ると、それがそのまま返送用になるので、切手を貼らずにポストに投函してやれば、返却オーケー。 ぜんぜん手間いらず。 ケースとか、解説書とかはなく、円盤だけを送り付けてくるので、日本語ライナーをそのまま勝手に引用することが出来ないのがアレなんっすが、以外と悪くないサービスであるな…と。 問題は品揃えなんっすが、とりあえずジャズのテナー・サックスのアルバムを探してみたところ、このハロルド・アウズリーの 『テナー・サックス』 が引っ掛かったというのが、事の真相であります。 タイトルがそのまんまなのが、功を奏した形になりますな。 1961年のベツレヘム盤で、マイルス・デイヴィスやマックス・ローチとの競演でも知られるテナー・サックス奏者、ハロルド・アウズリーがベツレヘムに残した幻のデビューアルバム。 世界初CD化! そんな1枚である模様。 サイドマンには、わりと名前が知られた人も入っていたりするんっすが、トロンボーンのジュリアン・プリースターとか、バリサクのチャールス・デイビスとか、ドラムスのウォルター・パーキンスとか。 変則的な3管編成で、一体どんなサウンドに仕上がっているのか、まるで見当が付かないんっすが、演奏曲の半分以上がアウズリーのオリジナルというのも、吉と出るか、凶と出るか。 んなことで、とりえず、演奏を聞いてみることにしましょうかぁ。

 まずは1曲目、アウズリーのオリジナルで、 「パリス・サンディ」 。 アルバム・ジャケットのセンスが、何だか微妙にお洒落なパリの雰囲気だったりするんっすが、この曲に由来するものなんっすかね? 演奏のほうも、3管が絡むアレンジが軽妙洒脱で、何だかちょっぴり西海岸風で、嫌な予感がしないでもないんっすが、その後きっちり、テナー、トロンボーン、バリトン・サックス、ピアノ、ベースのの順で、ちゃんと各自のソロがフィーチャーされているので、ジャンルとしては軽めのハード・バップであると判断していいのではなかろうかと。 各自、全般的に、微妙にB級っぽさが漂っているところが、なかなか味わい深かったりするんっすが、たまにはこういう、尖ってないジャズも、いいな♪ …と。 僕、ちょっぴり先端恐怖症だったりするし。

 で、次。アウズリーのオリジナルで、 「デヴァチャン」 。 何だかフワちゃんのパチモンっぽいんっすが、ふわっとした感じの曲調、並びに演奏でありますな。 マイルス・デイヴィスやマックス・ローチといった強者と、うまくやっていけたのか、他人事ながら心配になってしますんっすが、ま、所詮は他人事なので、別にどうでもいいんっすけど。 3管のハモリによる、ふわっとしたテーマに続いて、テナーのソロがフィーチャーされるんっすが、トーンそのものは割とドス黒くて、骨太な感じ。 が、フレーズは何だか、ふわっとしていて、推しが弱いな…と。 そこがまた、いい味を出していたりするんっすが、で、以下、プリースター、チャールス・デイビス、ピアノの人の順で、各自のソロが披露されます。 ピアノはフィル・ライトという人なんっすが、ほの暗い雰囲気がちょっぴりマル・ウォルドロンっぽくて、悪くないな…と。 でもって、3管のハモリによる、今度は何故だかちょっぴり重厚な雰囲気のテーマに戻って、おしまい。 で、次。 「アット・ラスト」 。 マック・ゴードンとハリー・ウォーレンがミュージカル映画 『サンバレー・セレナーデ』 のために書いた曲です。 グレン・ミラーと彼のオーケストラはこの曲を数回録音し、1942年版は米国ビルボードのポップ・ミュージック・チャートで2位になった。 そういうアレらしいんっすが、懐かしいっすな、サンバレー。 昔、川越にあったんっすよね。 川越と言っても埼玉ではなく、桑名から川を越えたところにある川越町なんっすが、昔、そういう名前のスーパーがありました。 あ、いや、違いますな。 川越にあったのはサンリバーで、津にあったのがサンバレーっすな。 けっ。 津かぁ…。 何か、急速に興味を失ってしまったんっすが、サンリバーはともかく、サンバレーに特に何の思い入れもなかったりするし。 川越だからリバー (川) なのは分かるんっすが、津でバレー(谷)って、意味不明だし。 で、「アット・ラスト」 。 これはアレっす。 しみじみとしたバラードっす。 アウズリーがワン・ホーンで、しっとりとテーマを歌い上げます。 B級っぽさは、どうしても抜けきれないんっすが、性格は悪くなさそう。 そんな感じが伝わってきます。 不器用そうっすよね。 武器用に買った槍を、投げやりになって、やり投げで投げちゃったし。 そういうの、不器用って言うんか? …と言われると、ちょっと違う気もするんっすが、で、テーマに戻って、おしまい。

 次。 「ラッシュ・ライフ」 。 エリントンの片腕だったビリー・ストレイホーンが書いた美しい楽曲っすよね。 エリントンの片腕、エリントンの右腕、エリントン本人は 「私の両腕」 と言っていた。 色んな説があるんっすが、そう言われるくらいだから、きっと、腕がよかったんだろうな…と。 で、この 「ラッシュ・ライフ」 は、「飲んだくれ人生」 。 そんな意味合いなんだそうで。 んーと、 ここ 参照。 以前は娼婦のいる飲み屋によく行ったものだ。あるいは、いかがわしいショーを見せる処とか。 もしかしてそれは、 「ベッ世界」 みたいなところっすか? 僕は四日市にある海星高校に通っていたんっすが、近鉄・四日市駅のホームから見える 「ベッ世界」 の看板に心を躍らせて、大人になったら、覗こう! そう、神に誓ったんっすが、その夢を果たせないまま、その店は潰れてしまいました。 思い立ったが吉日。 覗こう! …と思ったその時に、ちゃんと覗いておかないとアカンな。 そんな教訓を僕に残してくれたんっすが、個人的には教訓よりも、いかくん ( ← イカの燻製) のほうが好きなので、どうでもいいかぁ…と。 どうせ、大した世界ではなかったに違いないし。 ( ← 「すっぱい葡萄」 の心理。) そんな甘酸っぱい思い出が蘇る楽曲なんっすが、アウズリーはスローなテンポで、しみじみとした演奏を聞かせてくれてます。 2曲続けてバラードかぁ。 …というのがちょっとアレなんっすが、ま、いっかぁ…と。

 で、次。 「ストラッティン・トゥ・トラッキン」 。 ストラッティンと言えば、ソニー・クラークの 「クール・ストラッティン」 が超有名なんっすが、「気取って歩く」 みたいな意味っすよね。 で、このアウズリーのオリジナル、クラークのアレを意識したのかどうかは知りませんが、曲名を翻訳ソフトで訳してみたところ、 「トラックを運転することに歩き回ります」 。 広いサービスエリアとかで、自分のトラックをどこに止めたのか分からなくなって、歩いて探し回っている様子を詠んだものなんっすかね? 言われてみれば確かに、そんな感じの曲調であるな…と。 テナーが呼び掛けると、バリサクとボントロが応答する。 そんなコール & レスポンスなテーマは、マイナーでファンキーな雰囲気が感じられて、日本人ウケがよさそう。 何て言うか、「陰キャな3管ジャズ・メッセンジャーズ」 みたいな? ソロ先発はアウズリーのテナーなんっすが、微妙に 「サマータイム」 の一節を引用したりして、陰キャなりに、それなりに盛り上げようという気概が感じられなくもありません。 ソロの終盤、ヲタ仲間がワーッと駆け寄って、盛り上げてくれて、で、続くジュリアン・プリースターのソロにスイッチ。 個人的にプリースターの、鰤(ブリ)の星の下に生まれた感があるプレイが嫌いではなかったりするんっすが、ソロの終盤、ヲタ仲間がワーッと駆け寄って、盛り上げてくれて、で、続いてはピアノのソロ。 フィル・ライトでしたか。 悪くないと思います。 でもって、3管の絡みが絶妙に微妙なテーマに戻って、おしまい。 無事、自分のトラックが見つかって、よかったね。 そう、言いたくなるような1曲でありました。

 で、次。 「デル・ア・ボン」 。 タイトルの意味は不明。 命名した本人 = アウズリーに聞いて貰うしか。 「あ…、あう。 何かこう、出る、出る、あ、出ちゃった、ボーン! みたいな…。」 そんな要領を得ない回答しか得られないような気もするんっすが、で、曲のほうはというと、何かこう、出る、出る、あ、出ちゃった、ボーン! みたいな…。 オープニングは何かこう、これから面白い “劇” が始まるような、ワクワク感に溢れたものになっていて、期待! で、そこから先、まあまま盛り上がる展開になったりするんっすが、そこまで “冒険活劇” なワケではなくて、 “たむけんカツゲン” みたいな。 たむらけんじが 「ちゃー」 と変顔しながら、北海道で 乳酸飲料 を飲む…みたいな。 いや、さすがに、そこまでつまらなくはないんっすが、アウズリー、プリースター、チャールス・デイヴィス、ピアノの人の順に繰り広げられる各自のソロは、まあまあ、そこそこで、でもって、テーマに戻って、おしまい。 んなことで、ラストっす。 最後も自作曲で、 「ポーターズ・グルーヴ」 。 タイトルからして、日本人ウケする曲調に、期待! …なんっすが、ハード・バピッシュて、適度にファンキーな、ポーターのグルーヴ。 悪くないと思います。 ポーターの財布 とか、いいっすよね。 マジックテープ式で。 財布はポーター、おやつは 「ぽたぽた焼」 。 そんなポタラーは少なくないと思うんっすが、3管が小粋にハモるテーマに続いて、テナーのソロが出て、途中で残りの2管が絡んできて、盛り上がって、続いてボントロのソロが出て、途中で残りの2管が絡んできて、盛り上がって、以下略。 そんな感じに演奏が進んでいって、でもって、テーマに戻って、今日のところは、おしまい。

【総合評価】 全般的に地味で、華がないきらいはあるんっすが、嫌いにはなれない。 そんな1枚でありました。 隠れたB級ハードバップの佳作といった感じで、地味にオススメ☆


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